子ノ泊山 荷手野峠付近から |
子ノ泊山/蔵光山(906.7m)
新荷手野峠コース
嘗ては荷手野峠コースと呼ばれていたが、荷手野峠はアプローチでも通らなくなった。新しいアプローチの新荷手野峠も車も通れそうな作業道が通じているので登山の起点とは言い切れない。紀宝町と熊野市(旧紀和町)の町境の尾根を辿るコースである。途中に蔵光塚と子ノ泊山の名の由来とも言われる寝泊り岩がある。
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林道終点間近の 棚田跡 |
新荷手野峠付近拡大図 |
桐原から林道桐原浅里線を登り、古田川本流に掛かる子親の滝橋を渡った所で右に林道杉山地線が分岐しているのでそちらに入る。すっかり植林された廃村杉山地を越えて荷手野峠への旧道を分け、林道の終点は新荷手野峠の手前の標高450mを越えた小さな鞍部である。駐車スペースは十分ある。林道終点であるが、作業道に突き当たるT字路になっており、鎖などは掛けられておらずオフロード車なら新荷手野峠を過ぎて更に作業道の終点まで入れそうな感じもした。
作業道を右へ入り山の斜面を登っていくと左から沢が近づいて谷が広がる。最終水場である。東へ向かう作業道を分けてこの沢を渡るとすぐに「新荷手野峠」標識があり、野道が右に分かれて50mで新荷手野峠である。作業道は20mほど先で分岐し、少し遠回りして新荷手野峠に達し、峠を越えて楊枝川流域へ続いている。作業道をそのまま子ノ泊山へ向かうと新荷手野峠は通らない。新荷手野峠の北側は皆伐されていて空が明るい。
新荷手野峠を後に子ノ泊山へ向かう。すぐ先で左への分岐を分けて616mのコブの南斜面を緩やかに登る。616mの西の鞍部から道の脇に小塚が連なっているのが見られるようになる。北側は皆伐斜面で巨岩が幾つも転がっているのが見える。次のコブを越えた先が作業道の終点となる。駐車スペースは十分ある。
稜線上にはネットが張られていて木の無い熊野市側へ入れないが、完全に町境に沿ってネットが張られているわけではないようだ。最初のコブへ登り始めると主稜線上には小塚が並んでいるが、道は少し登った所から右に反れて最初のコブを少し北側から巻くように登っている。ネットも少し熊野市側へ後退している。最初のコブを巻き終わると次は蔵光塚への登りだが、ここも町境の尾根線に忠実に小塚が並び、それに沿って道もあるが、古い道は尾根線の北側に巻いて、一本西側の650m標高点のある尾根の、650m標高点の南の鞍部へ登っている。南の鞍部の手前で皆伐の斜面を横断して鞍部に登ると、尾根線上のものよりは大きな塚が二つある。更にもう一登りで蔵光塚に達する。「赤井蔵光塚」の標識が付いていた。
作業道から町境の尾根線上には蔵光塚まで数メートル間隔で小塚が並んでいる。中には石の上に一つ石を載せただけのようなものもある。標高700mの辺りに一つだけ毛色の違う石があった。寺社の境内に立てられている石碑のような高さ1m程の立石で何か字が書かれていたようだが掘りが薄くなっていて読めなかった。連なる小塚は昔の山林境界標である。
新荷手野峠 熊野市側 |
熊野市側は 皆伐されている |
作業道 終点間近 |
巨岩だけが残る |
塚らしからぬ塚も |
札の無い塚も |
蔵光塚より上では小塚の連なりは見られなくなる。道の向きが南から南西に変わるコブは西側を巻くが尾根線に忠実にも踏み跡がある。東側が天然林となり標高730mあたりから少し急登となるが登るに従って空が明るくなり、西側も天然林となり、北方の展望が開け、878m標高点のコブを越えて僅かに下ると二ノ塚がある。連なっていた小塚よりは大きいが蔵光塚に比べるとかなり小さい。二ノ塚から西側斜面へ広尾井方面への作業道が分岐している。
一つだけ毛色の違う石 碑石か |
蔵光塚北北西の 旧道鞍部の塚 |
三の塚 |
蔵光塚 |
標高800m付近の岩 ここから天然林 |
登りも あとわずか |
シャクナゲが 現れる |
二の塚 |
二ノ塚から更に下がると巨岩塊が稜線上に二つほどある。道はこの巨岩の西側を少し下って巻いている。二つ目の岩の東向きが庇状になっており、これが子ノ泊山の名の由来の一つとして言われる「寝泊り岩」と思われる。数人は休める広さがある。
寝泊り岩から小さな鞍部を越すとすぐに作業道の終点があり、ここから山頂直下までは幅広の作業道歩きである。稜線の僅かに西側に作業道は続いている。この作業道の造成前は尾根線に忠実に歩道があったようで一部にその痕跡が見られるが、後半は岩尾根で尾根線を忠実に辿るのは困難だ。後半の出だしには尾根線が蟻の戸渡り状になっている箇所がある。その辺りで作業道からは西側に旧熊野川町の日足や能城山本の辺りがよく見える。一等三角点のある本峰とほぼ同じ高さのある北峰も西側から巻いて、最後の鞍部から作業道を離れて山頂に登る。
寝泊り岩などを巻く |
寝泊り岩 西面 |
寝泊り岩 東面 |
公団作業道に 出る |
戸渡り状 山頂はもうすぐ |
日足方面の展望 |
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