一族山小滝コースの地図一族山 小滝コース

 下りで歩いたので下りながらの紹介。布引の滝の上から布引谷左股に沿って登るコースで昔ながらの木馬道を歩く。石積みで作られた無人の山中に延びる道に先人の労苦を偲ぶ。大河内への峠から上は尾根上の緩やかな歩道。

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★一族山〜西尾根〜大河内峠〜小滝〜布引の滝
参考時間・・・作業小屋-0:20-「遊歩道」分岐-0:55-一族山山頂-0:10-小栗須分岐-0:40-大河内の峠-0:55-小滝-0:10-保全林入口(木橋・不動明王・布引の滝駐車スペース)

 西尾根への一族山山頂直下は少し道が不明瞭だが目印テープは多かった。杉の植林からすぐに雑木林となりシャクナゲ林となり、下り切って小栗須分岐だが、ここまでが不明瞭。道は尾根の南西寄り、石楠花林と針葉樹の植林の間にあって簡素な石積みも見られる。針葉樹の森の下方には白倉の露岩が光っている。その先の西尾根ははっきりした道。小栗須分岐には紀和町の名で道標があるが、小栗須方面は荒れている雰囲気。

 道は、コブは巻く緩やかな傾斜の歩きやすい道で、時折紀和町板屋の市街地や熊野川、大峰山の笠捨山の辺りが木の間越しに見える。南側は植林が多いが北側は自然林のことが多い。

 峠は植林の中で小さな切通しになっている。切通しの南西側に大河内への道、南東側に新しい作業道、北東に小滝を経て布引の滝へ降りる道、南側へ更に稜線を辿る道と五叉路になっている。南東の道へ少し入ると一族山西斜面の「白倉(ー)」を望むことが出来た。


シャクナゲ茂る山頂直下

小栗須分岐

歩きやすい道

時折展望
熊野川と板屋方面

風で
ひっくり返りかけた木

大河内の峠から
一族山と直下の白倉

大木も
見られる

山抜け
下に氷瀑が見えた

歩きやすい道が
続く

大河内の

 小滝を経て布引の滝へ下りる道は幅広で堅牢に詰まれた石垣と一定の勾配、緩やかなカーブを持つ立派な木馬道である。木馬道の作られた時期についてはよく分からないが(明治末〜大正頃か)、明治以降のものだとしても世界遺産熊野古道に準ずる産業遺産ではないかと思う。ただ、ここのものは現役の営林作業道として今でも使われているような雰囲気が随所にあった。二ヶ所、枝沢を渡る。上流のものは橋桁がないが特に問題は無い。下流のものは簡易な橋桁が掛けられていた。いずれも水場ともなる。

 標高400m辺りで沢に下りて四度、布引谷の本流を渡渉する。この辺りの木馬道は沢に近かったのか、水流と時に流されて既に跡形もなくなっているようだ。一部に沢沿いの岩盤を削って木馬道の路盤にしているような箇所もあった。太いながらも低い柱状節理が川岸にあったり一面苔生していたりして幽谷の雰囲気。最後の渡渉は小滝の銚子口で平らなナメの上だ。小滝の脇は木馬道に柵がある。小滝の滝壷に下りることもできる。滝がそのまま滝壷に映る美しい静かな滝だった。


谷を渡る
石積み

一箇所だけ雑木林で
明るい木馬道

新しい木橋も
ある

太い切り株
古い道だ

水が透き通っている
ヤマメか?

柱状摂理が
河原の脇に

岩盤を
削った道

小滝の上は
ナメになっている

 小滝より下では木馬道も傾斜が殆どなくなり、水音の大きい「遊歩道」を分けるとまもなく駐車スペースの大きな木橋に着く。駐車スペースの脇には鳥居があり、僅かに登ると更に鳥居があって布引の滝の不動明王が祀られていた。この布引谷は対岸の右岸にも木馬道があったようだが、歩いてきた左岸に比べるとかなり崩壊しているようだ。645m標高点の東斜面には「雨滝」という滝があるらしい。布引谷の右岸斜面が「きらずの森」だそうだから、そちらの中も歩いてみたい気がする。後述の紀和町林研グループの案内看板には道がありそうに書いてある。

 少しだけ車道を歩いて布引の滝を見物。美しく静かな滝だ。日本の滝100選に選ばれているそうで、何やらモニュメントが道路脇にあった。こちらにも不動明王が祀られている。滝壷まで車道から立派な新しい階段道で下りられる。階段の脇に昔の石段もある。修行の場としての道もあったのだろうか。滝壷近くにはトチの大木があった。滝の脇を登る野猿の姿が面白かった。


小滝

ドングリが多い

遊歩道分岐付近

入口の橋

布引の滝

参考文献
吉岡章,大峰山脈(山と高原地図57),昭文社,2000.
新宮山の会,増補改訂 南紀の山と谷,新宮山の会,1987.



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(2011年1月31日分割)