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鬼刺山の地図1
鬼刺山の地図2
鬼刺山の地図

★偶々見つけた古い冬期記録

 「北の山脈」24号(1976年)に昭和36(1961)年1月の鬼刺山冬期記録があった。凍結した天塩川をスキーで渡り、鬼刺辺川を詰めて左股から東コルを経て山頂に上がったという。

e- ane nupuri [その頭・細くある・山]の類例かと思われる山名

 「ヤニ」の音は或いは e- en -i[その頭・尖る・もの]ということも考えられるか。当麻山と将軍山、丸山(士別市)は「その頭が細い」と言うほどの山であるような気がしない。当麻山は当麻川と牛朱別川の川俣の間に位置する。aw(e) ne nupuri や、aw -na nupuri の転訛も考えられるのではないかと思う。丸山も別の言葉だったのが転訛しているのではないかという気がする。雲居山も峠道に使われたのではないかと思われる鞍部とそれらを繋ぐ道の分岐と思われる川筋の多い所なので怪しい。

他の ane な山

参考文献
新妻徹,鬼刺山,p39,24,北の山脈,北海道撮影社,1976.
渡辺隆,蝦夷地山名辞書 稿,高澤光雄,北の山の夜明け,高澤光雄,日本山書の会,2002.
知里真志保,地名アイヌ語小辞典,北海道出版企画センター,1992.
松浦武四郎,秋葉實,丁巳 東西蝦夷山川地理取調日誌 上,北海道出版企画センター,1982.
北海道庁地理課,北海道実測切図「上川」図幅,北海道庁,1896.
北海道庁地理課,北海道実測切図「名寄」図幅,北海道庁,1897.
北海道庁地理課,北海道実測切図「枝幸」図幅,北海道庁,1897.
新岡武彦,枝幸郡の伝説と昔話,枝幸町,1987.
新岡武彦,枝幸郡アイヌ語地名考,北海道出版企画センター,1986.
松浦武四郎,秋葉實,松浦武四郎選集3 辰手控,北海道出版企画センター,2001.
松浦武四郎,秋葉實,武四郎蝦夷地紀行,北海道出版企画センター,1988.
松浦武四郎,秋葉實,戊午 東西蝦夷山川地理取調日誌 中,北海道出版企画センター,1985.
松浦武四郎,秋葉實,丁巳 東西蝦夷山川地理取調日誌 下,北海道出版企画センター,1982.
北海道庁地理課,北海道実測切図「頓別」図幅,北海道庁,1897.
永田方正,初版 北海道蝦夷語地名解,草風館,1984.
松浦武四郎,吉田武三,三航蝦夷日誌 下,吉川弘文館,1971.
松浦武四郎,高倉新一郎,竹四郎廻浦日記 下,北海道出版企画センター,1978.
幕末・明治日本国勢地図 輯製二十万分一図集成,柏書房,1983.
松浦武四郎,秋葉實,戊午 東西蝦夷山川地理取調日誌 下,北海道出版企画センター,1985.
日高町史編纂委員会,日高町史,日高町,1977.



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(2006年11月12日上梓 2017年5月29日改訂)