北海道の山あれこれ
- 十勝幌尻岳・・・某お菓子会社は公然と社会の常識に背を向けこの山を日本百名山に選ばれた日高幌尻岳に替わると主張しているようだ。それも面白い。
- 芦別岳・・・「北海の槍」というのは北から見た場合に限られ、格好よく言い過ぎだと思う。他に「北海の谷川岳」とも言うようだが内地の有名山岳で例えるのはやめて、オリジナリティーで評価すべきだ。夕張岳と並ぶ夕張山地の雄で十分だ。
- 赤岳(大雪山)・・・山名が成り立つとは思えない場所。「岳」でない気がする。三角点と巨岩が一つあるだけのただのポコ。本当は小泉岳が生まれた時点で消えるか小泉岳の位置で併用にすべき山の名だったと思う。三角点があるからそこが岳であるということではない。
- 十勝岳(南日高)・・・大雪山国立公園内の十勝岳に比べるとどうしても見劣りする。この「十勝岳」と言う名前も決して由緒無き名ではなく、江戸時代よりここいらの山を指して「トカチ岳」とは書かれていた。より目立つ隣の楽古岳のことだったかもしれないけれど。様似辺りから見ると楽古岳の向こうは十勝の国である。
- 熊見山とペケレベツ岳の関係・・・現・熊見山(1175m)は、山とは言えないのではないか。約1km北西隣の1327.9mピークのほうが高いし、際立っているし、山らしい。しかもこの1327.9mピークに置かれた三角点の名前が「熊見山」だ。一方、ペケレベツ岳はペケレベツ川の源頭にないのにこの名前であることは以前より夏山ガイドなどで指摘されている。明治時代の地形図では沙流川水系と十勝川水系と石狩川(空知川)水系の境界点に「部計礼部山」と記されていた。現在のこの境界点1289mは1327.9mピークと西隣の1389mピークに挟まれて、一つの山の名前を名乗るには少々役不足だ。1327.9mは現・熊見山と一つの山塊を為してペケレベツ川とその支流ペケレベツ二の沢の源頭となっているので、1327.9mこそペケレベツ岳を名乗るのにふさわしい。山容も雄大だ。現・ペケレベツ岳はヌプチミップ川(小林川)の源頭であるので夏山ガイドの提案通り、ヌプチミップ岳の名の方がふさわしい。1880年代作成の一瀬朝春の十勝の地図には現在のペケレベツ岳の名に通ずるヘケレヘツ源の「霹靂山」の南にノフチミフ源の「後満山」の名があった。ノフチミフとも書かれたヌプチミップに字を宛てた「ノチミツやま」のように読むべき山名で、「ヌプチミップ岳」という名も故無き山名ではない。現・熊見山には名前は必要ないような気がする。(2007/3)
- カムイヌプリ(登別室蘭)の標高・・・立派な公設らしき山頂にある山頂標識は745mと書いているが、それより明らかに低い三角点は750.1m。三角点から「山頂」を見上げれば、すぐに山頂の方が高いことは分かる。標高を745mとか750.1mと書いている人が登った時はガスで視界がなかったのだろうか・・・。745mと言う人は地図を持たずに登山しているということだろうか。三角点が標高を間違えているのだろうか。ハンディGPSで測ると三角点より西のピークは「山頂」よりも更に高いと言う話もある。自分のハンディGPSでは三角点で補正して山頂、西ピークとも757mだった。いつか測量キットを手に入れて、自分で山頂と西ピークの高さを測ってみたい。幌別から見てカムイであるなら東の現在の山頂が「山頂」なのであろうけれど。ついでに雄鉾岳西ピークの標高も測って1000m峰かどうかの議論に決着をつけたい。(2007/10)
北海道四大鋭峰
ひとつは増毛山地の群別岳。これは見る方向によってはマッターホルン並に尖っていてスイスの氷河地帯にいるような錯覚にとらわれる。あとがわからない。見る方向によって尖るだけでよく、1000m程度の標高があって親しまれていればいいのなら個人的には群別岳のほかに「楽古岳」「徳舜別岳」「富良野西岳」を挙げたいが異論も多い。「芦別岳」などは有力(個人的には反対、隣の尾根上のコブが高すぎる)。他に候補としては夕張マッターホルン、黄金山、ニセポン(ペテガリ岳早大尾根上)、鉞山(まさかりやま:積丹半島)など・・・。後芦別山列の山はどれも候補になりうる。4つに絞ろうとすること自体、もう時代錯誤なのかもしれないが、歴史的経緯を知りたい。また、「五大鋭峰」という言葉もあったようだ。