函館山 地蔵山(七曲)コース・鞍掛山

 曲コースとも言われるようだが、実は二十七曲コースである。地蔵山は函館山南峰とも言うべき千畳敷の南のコブといった雰囲気だが山の名前が付いている。地蔵堂があったのがこのピークなのだろうか。当頁では千畳敷最高点までをこのコースとしておく。ここから稜線を辿り、御殿山まで縦走も出来るし、別のコースから下山も出来る。千畳敷も元々はピークの名前と言うよりは地蔵コースの西側に広がる笹の緩斜面の名称だったのではないかと思われるが、ピークの名前のように扱われていることも見かける。

函館山 地蔵コースの地図

★立待岬〜登山口〜地蔵山(所要時間1時間弱)

 登山口周辺に駐車スペースはない。最寄の駐車スペースは立待岬の観光駐車場となる。立待岬の駐車場から登山口まで、墓地の裏を通る一登りだ。この道は立待岬からの自動車の帰路に指定されているので、車の流れは岬から一方通行である。

 登山口から少し階段を登ると杉林となるが小さい。海の見える稜線上までは上がらず、稜線の一歩手前で右に折れて登りに掛かるが、はじめは緩やかな斜面と道だ。いろいろ踏み跡が錯綜しているような気がするが、道はハッキリしている。軍を思わせる標柱が道端にあったりする。

 カーブに木の札が掛かるようになると二十七曲(七曲)のスタート。丁寧にジグが切られ、傾斜がきつくなる事もなくゆっくり標高を上げることが出来る。カーブ地点には石垣が積まれていることが多い。石は苔生している。この道も津軽要塞関連で整備された歴史を持つのであろうか。

 27番カーブの地点が地蔵山見晴台で露岩となっており、立待岬や下北半島が望める。この辺りは道が二重になっているがアンテナが立ち並ぶ地蔵山に着く前に一本に収斂する。この辺りからアンテナ群を経由せず、北側を千畳敷に向けてトラバースする道(元軍道っぽい)もあるが荒れている。

 稜線に上がると樹高が下がり、木の葉が触れるようになる。ミズナラとカシワが多い。カシワもミズナラも風の影響で枝がグチャグチャに伸びている。それでも身長より遥かに高い樹高で、見ようによっては意外と風の影響を受けてないようにも見えた。

 目の前に盛り土が現れ、盛り土の上にアンテナがあることが分かり、道は盛り土を左から巻いていくと、地蔵山山頂らしいが、標識もなく人工的に改変された均された地形で最高点もどこかも分からないし、山の名の由来となった地蔵堂など雰囲気すらない。いくつものアンテナが林立している風景だ。


鞍掛山
立待岬から

登山口

小規模な
杉林がある

林間の道

石垣の
組まれた道

この札が
曲りを数える

稜線は
ミズナラが多い

頂上台地に
上がると
樹の幹も七曲り
風が強いのだと
思う

★地蔵山〜千畳敷(所要時間10分)

 地蔵山のアンテナ群の辺りから道は歩道から車道となり、すぐに千畳敷の芝生の広場(千畳敷見晴台)に出る。ここは函館山登山の南の拠点で、道道立待岬函館停車場線の事実上の終点(起点?)である。芝生の広場の周りに休憩舎・水道・トイレ・板敷きがある。函館市街の展望が広がるが、ロープウェイのある御殿山からと比べると、横(南)に寄っているせいか、少し見劣りする。

 千畳敷最高点へは芝生の北側の二箇所から階段が上がっていて途中で合流する。階段を上がりきってちょっとした木立のヤブをくぐると一面笹の斜面が広がっていて、これが千畳敷である。スキー場にする計画もあったようで千畳敷を下る車道の痕跡も残っている。笹の中に草原が混じっており花もいくらか咲いていた。

 最高点が近くなると図根点の標識があった。初めて見た。この最高点には特に山名は無いようだ。図根点からほぼ標高は変化せず、最高点っぽい箇所に到達すると地面にコンクリの穴が開いていた。一つ目は丸い砲台跡、二つ目は前方後円状で穴の中には窓があり、地下があるようだ。穴の上には赤いコーンが並べられ、鬼の顔のようだった。津軽要塞の戦闘司令所跡だという。説明の看板などはないが、このインターネットの発達した時代、この頁下のリンク先など参照すればいくらでも勉強できる。有難い時代になったものだ。あまりきちんと管理されていないようなので節度を持って見物し、遺跡を壊さないようにしたい。

 鬼の顔のようになっていた部分にはドームがあったようだ。鬼の下唇にあたる部分にはテーブルが置かれ、将校たちが作戦を討議したのだろうか。想像は膨らむ。暗い小部屋が並ぶ電話室の壁からは地下水が染み出して不気味であった。事前学習足らず、壁に小さな四角い窪みのある連続する部屋が何だか分からず、懲罰対象者を押し込めておく部屋で壁の窪みにはマリア像でも安置したのかと無駄な妄想を働かせていたが、正解は電話室で四角い壁の窪みは電話を設置する場所だったようだ。ここで電話を解読して上の部屋に情報を伝えたのだろう。


千畳敷
オオノアザミ(?)

戦闘指令所
換気孔?

地下から南へ
続くトンネル

図根点

トウゲブキ

鬼の顔のようだ

戦闘司令所電話室

更に北へ(函館山 稜線のページ)(サイト内リンク)


★鞍掛山

 登山口から登り、稜線に出る手前で右に折れると地蔵山だが、左に折れると鞍掛山の山頂に至る。稜線上の道だがやや北側に付けられていて湿っている感じがする。

参考リンク
北海道道路レポート”カントリーロード”>>一般道道675号 立待岬函館停車場線(閉鎖されたようなのでリンクを外して夫々のURLを記しておく。http://www.hokkaido-douro.net/、http://www.hokkaido-douro.net/dodo/r675/r675.html)
自己満足 北海道>>道道675号函館山周遊道路計画編とおまけ
ようこそ要塞探訪へ>>戦斗司令所(閉鎖されたようなのでリンクを外して夫々のURLを記しておく。http://www006.upp.so-net.ne.jp/fortress/introductionja.htm、http://www009.upp.so-net.ne.jp/fortress/tsugaru/sento1.htm)



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(2009年9月26日上梓 2019年8月9日リンク修正)