軍艦山の位置の地図
軍艦山広域地図

東大雪軍艦山(1181m)

 大雪山系に2つの「軍艦山」と呼ばれる山がある。1つは北大雪ニセイカウシュッペ山と比麻奈山の間にある別名「アンギラス」。そしてもう1つが東大雪でニペソツ山の前方に位置する「軍艦山」である。どちらも地図には名のない「通称」としての軍艦山である。北大雪軍艦山は多くの砲台を備えた戦艦だが、東大雪軍艦山は麓から見るとブリッジのない空母と言った感じだ。しかし、ニペソツ山山頂などの上空から眺めると丸いテーブルと言うのが実態だ。この形は溶岩ドームの名残なのだという。


 はじめはニペソツ山杉沢登山口の手前、林道が左岸から右岸に渡った所から登ろうと考えていたが、そちらの方面の林道は残雪で石狩岳とニペソツ山の分岐の辺りまでしか車で入れなく、車を置いて歩くには林道歩きが長くなるので幌加温泉側から登ることに変更した。

軍艦山の地図

十勝三股から見た軍艦山
後右はニペソツ山

 ニペソツ山幌加温泉コースを歩いて、軍艦山の南面東寄りの「リブ」(稜まがい)を登ったが、急斜面に細いトドマツやアカエゾマツが密生していて倒木も多く、非常に登りにくかった。下りでもグリセード出来そうにない。南側から登る場合は、私が下りに使ったコースで登ることをお勧めする。

 標高900m付近の傾斜が緩む辺りには、左上する林道か作業道の跡があったが、水平で登って行かない感じがしたので辿るのはやめた。

 「リブ」の上の方は傾斜がきつく、雪も落ちて殆ど無くなって笹を掴んで登った。最後は低木ブッシュの草原があり、ウペペサンケ山がよく見えたが空が白くて映えなかった。ニペソツ山は下半分が手前の尾根で隠れていて、すっきりとは見えない。

 倒木やら雪切れやら急登やらちょっとした巨岩やらで全くまっすぐ登れず、少し進んでは立ち止まって次に登る方面を探さなくてはならないので、時間は掛かったが、疲れはしなかったが、標高差は500mほどに2時間半もかかってしまった。下りは1時間。

 山上台地の上はまだ積雪十分。歩きやすいが、細い木ばかりで大木はない。山頂の木にテープが2つとシュリンゲが1つ、かかっていた。テープの1つは5m以上上につけられていた。積雪の深い時に来た人がいたのだろうか。吹き溜まる場所でもないので5mも雪が積もるとは思えないのだが・・・?

 下山は登ってきたルートが嫌なので、一旦西のコルを目指して、傾斜が緩んできた所からニペソツ幌加温泉登山道に下りた。標高1000mほどで作業道跡があり、この作業道が西のコルを通っているようだ。

 山上に大木が無いのも、この道で伐採されたからだろう。軍艦山はあと少しでギニア高地になれなかった。現在、山上が平らで樹木の無い有珠山なども噴火が収まって何万年もしたら、軍艦山のようになるのだろうかと思いを馳せる。

 下りのコースではニペソツ山幌加温泉登山道に下りるまで雪がつながっていた。また、軍艦山から作業道に下りるまでの間は針葉樹の疎林で歩き易かった。

 途中、エゾリスが木の枝を舐めていた。この時期、カエデ系の木の皮を剥ぐのか、沁み出してくるのかよく分からないが枝を舐めると甘いのでエゾリスが木を舐めるのだという。

参考文献
小疇尚・小野有五・野上道男・平川一臣,日本の地形2 北海道,東京大学出版会,2003.



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(2004年5月12日上梓)