鍋島山(140m)
室蘭市街を代表する山である測量山がホシケサンベ「先に出てくるもの」(ホシキサンペ hoski san pe[先に・出る・もの])であるのに対して、イヨシサンベ「それを追って出て来るもの」1)(イヨシサンペ i- y osi san pe[それ・(挿入音)・の後から・出る・もの])。栄八山/祝津の山とも呼ぶらしい。アイヌの時代から白老沖での漁で漁師が自らの位置を確認すること(山当て)に使われたことによる名だという。その使い方は池田(2003)2)に詳しい。鍋島の名は、漁師の鍋島さんの土地だったことによる3)と言う。
西面には遊歩道が張り巡らされ、早春の花の時期は美しい。最高点のすぐ北には展望広場あり、電柱を倒したようなベンチがあって白鳥湾をはさんで白鳥大橋と室蘭岳・カムイヌプリの展望が美しい。有珠山までよく見える。
★港南町から
港南町の表通りから北側に入ってすぐのところに営林署の看板があり、そこから登る。ちょっとこの看板の地図はおかしい。少し登ると東面のトラバースとなる。途中、港南町の民家へ下りる分岐がある。谷地形に突き当たるとジグを切って登る。もう三回ジグを切ると展望が開け、すぐに展望広場である。非常に展望が良い。山頂は更に10mほど先である。
★祝津町から
祝津の給食センター手前の奥から笹を刈り分けた地形図どおりの道があるが、あまり歩かれていないようだ。刈った笹が道を覆っている。港南町への鞍部に達すると分岐があり、稜線伝いに北側へ登れる。高区配水池への車道に出て稜線を進む。配水池はコンクリの四角い建物。この建物の周囲から複数の歩道が出ている。どれも山頂へ続いているが早春なら西側ほど花が多い。
参考文献
1)山田秀三,北海道の地名,北海道新聞社,1984.
2)池田実,漁労と地名 ―「胆振の山立て」から―,pp25-44,6,アイヌ語地名研究,アイヌ語地名研究会・北海道出版企画センター(発売),2003.
3)小坂博宣,室蘭・登別沿岸のアイヌ語地名研究インカラアンロ(眺めましょう!),知里真志保を語る会,2006.
トップページへ |
資料室へ |
現代モイワ群へ |