丸山(47m)
蘭東は旭公園の山だが、この公園は公園なのかどうなのか怪しい。耕作地が山肌一帯に広がる姿である。そもそも今、マルヤマとかアサヒコウエンと呼ばれているのかどうかも怪しい。その最高点である。明治20年代の開拓の頃、輪西屯田兵の兵村社(円山神社)が山頂に祀られて丸山と呼ばれた1)とのことだが、この山は近くから見ると丸いと言うよりは四角い。金の延べ棒を積んだような台形だ。この四角さもしかし、室蘭の発展で山肌が削られたゆえであって、元々はもっと丸かったのかもしれない。山頂には四角い池の跡のようなものがある。既に産業遺跡である。丸く見えるのは主に北側からだそうだが、今では北側には新日鉄の背の高い大きな工場が広がり、北側からすぐに見るのは難しい。少し引いて八丁平から見下ろすと確かに丸かった。
★登山記(2009年8月)
登山と言うほど大したものではなく、山頂のすぐそばまで自動車で入れるが、東室蘭駅から歩いてみた。
東町の団地群から抜け出すと丸山に沿って一列の一軒家の住宅が並んでいる。その横から丸山への道が続いている。細い急な道路だが舗装されている。一登りすると周囲には耕作地が広がる。どの畑にも防風の生垣がシッカリしている。テレビ局の無線アンテナの辺りで自動車が走れる部分は終りでそこからは少し歩く。
山頂からは南方に風格ある煉瓦塀の立派なプールのようなものが見えて驚かされる。これは丸山の北西に広がる新日鉄室蘭の工場の配水池のようだ。池の底に赤いユリが沢山咲いているのが見えた。煉瓦のデザインが美しい。室蘭市の名で立ち入らないようにと言う看板があった。兵村社の跡などは見つけられなかった。
草が茂るが車道の路盤は更に続き、山頂を北から回りこんで西側山麓に続いていたが、途中で行き止まりで下山は出来なかった。
明治時代の海図で北側からこの山の山頂への道が振られていたのを見た覚えがあるが、現在の北斜面は新しい道路で法面が崖のようになっていて道は無さそうだ。
これだけ畑として日常的に人が入っている山ならきっと名前はあると思う。それがマルヤマかどうか、自分は確かめられていない。
輪西方面の展望 手前は新日鉄体育館 |
煉瓦の槽 スペースシャトルの背中を思う |
八丁平から見ると丸い ドーム状 |
参考文献
1)室蘭市役所,室蘭市史 上巻,室蘭市役所,1941.
2)ぴかりん,【写】旭公園(室蘭)>>ぴかりんの頭の中味,2009年9月28日閲覧.
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