目国内岳(1220m) パンケメクンナイ川


 ニセコ連峰西の雄の目国内岳、「北海道の山と谷」グレードで「!!」の中級の沢だが、どの滝もヤブから巻けないことはないので、正確で最新の巻き重視の遡行図があれば初級者でも・・・?。非常に面白い沢だった。チシマザサのヤブの発達著しいニセコでは、どの沢でも最後に猛烈で過酷なヤブ漕ぎが待ち受けているが、この沢は登山道の横切る湿原を水源とするので源頭のヤブ漕ぎはない。

歩行日・・・2003年11月2日
五万図・・・「島古丹」「岩内」
歩行時間・・・吉国バス停-1:00-林道終点-1:00-下二股-1:20-上二股-2:20-F12(放物線の滝)-0:55-縦走路-0:40-目国内岳
アプローチ・・・JR函館本線蘭越駅から港行きの蘭越町有バス吉国バス停下車入渓点の林道終点まで徒歩1時間。但し便数が少ない。バスの時間が遅いので午後の便では秋には林道終点に着く頃には暗くなってしまう。バス停から西進し、吉国ホタル公園で右の道に入って上里地区に至り、パンケメクンナイ川を渡る手前で右に入る畑の道を行き、畑が終わると間もなく二股になっているので川の方へ下り気味の、少し使われてない感じの左へ入る。標高220mあたりで右に立入禁止の札のかかったバリケードがあるので(左は堰で行止り)、それをくぐってこの道を林道の終点まで行く。地図上の280mの堰よりもう少し上流まで道がある。クマの糞が多い。


 林道の終点で幕営。林道終点から名物7連堰堤の入り口までが、函地形で朝で光が射さず暗く、水底が見えないので歩きにくかった。沢はくねくねとよく曲がり、幾つか低いが大きな釜を持った滝があって、へつったり巻いたりして越えていく。岩はフェルト底では滑らないがスパイク足袋ではやや歩きにくい岩質。下二股のすぐ上には大きな滝があって右股がらみで巻く。巻き終わった所から名物の7連堰堤。堰堤は全部低くて簡単に越えられる。もっと大変なのかと思っていた。昭和51年に災害復旧の為に作られたとのこと。

 堰堤が終わると550m上二股までは暗い廊下で、廊下に免疫の無い自分はドキドキしっぱなしだったが、たいしたものはなかった。砲台のような岩をくぐる所が面白かった。

 550m上二股のすぐ先、三段釜持ちのF5。「山と谷」の記述を信じて2段目まで滝壷の右岸から上がるも、そこから巻き上がるのは自分には不可能。本が書かれた後、登れそうな小尾根が崩れたのではないかと思う。シオシオ(実はヒヤヒヤ)下りて、結局全部巻く。ここを含めて入渓すぐの滝から、最後のF13まで巻き道、踏み跡、目印テープは殆ど無く、巻く場合も自分で判断する必要がある。ガイドブックにお薦めの沢として出ているとは言え、入渓者数はかなり少ないようだ。

 次のF7、F8あたりは何となく流れから左から巻いて失敗した。下りる時ちょっと飛び降りて恐かった。残置シュリンゲが幾つかあった。ここだけは右から巻いた方が楽と知っていると得すると思われる。しかし右は左より長い巻きになる。ここも登れる人は登れるのだろう・・・。


砲台状の岩

F5 三段釜持ちの下二段

埋もれた滝

 次の大滝はすぐ横の崖の崩壊で八割方埋まっていた。楽しそうな登りやすそうな滝だけに惜しい。

 この後、次第に傾斜がゆるくなり、岩が大きくなる。北海道の山と谷に載っている写真の滝は、飛沫が多くて順層だったけど巻いた。終盤、F12は裏見の放物線の滝。滝の飛沫で虹も出る非常に美しい滝で、ここで昼飯にした。

 この滝とすぐ上の最後のF13をまとめて巻くのが巻きの中で最も根曲がり竹の密度が高くて、太い竹にビシビシ叩かれて痛かった。でも巻いてる途中で目国内岳の山頂が見えて感動的。

 滝が出なくなってから縦走路までは意外に長い。湿原ではなくて笹原の中の流れだ。しかし穏やかで独特の雰囲気はとても良い。縦走路に達したらすぐ遡行はやめて縦走路に上がりたい。湿原でぬかっていると言うことではないが、湿原の中は川底にも大型の植生があり、これを荒らすことになる。湿原脇を歩いても地上の植生を荒らすことには変わらないが、限られた面積と柔らかい水底への影響から考えて程度問題として水面下の植生の方が大事な気がする。

 縦走路を岩内岳から岩内温泉に下山すれば、岩内市街行きのバスが1日数本あり、岩内からは札幌行きのバスがある。

パンケメクンナイさわのちず 山と谷に載っている滝
北海道の山と谷(上巻)」に載っている滝
順層で夏ならシャワーで直登だったが
F12
F12 放物線の滝
滝壷をくぐれる


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(2003年11月8日上梓)