松音知岳のちず

松音知岳(531m)
まつねしりmatne-sir[女である・山]

 男山である敏音知岳と対を為す。同じ頃に成長した火山らしい。


 東側の兵安地区から登った。

 兵安の北の新開橋を渡って茂兵知安川の左岸に出、送電線が上空を横断する辺りから登り始めた。小さな平地を横断するとすぐ15mほどの崖になっているので、左寄りの沢地形からこの崖を上がる。崖の上は牧草地になっているので南の端を歩く。700mほど行くと小さな沢地形を横断し、荒地を登っていく。この辺りは後方の展望が良い。ポロヌプリ山・珠文岳に代表される日高類層群の北端が海に沈んでいく様子を横から眺められる。


牧草地に上がる

牧草地の縁を行く

 200mの台地のコブの上は少し巨木がある。ここから細く平らな尾根上を行った。歩行に危険はない。標高240mで林道に突き当たる。松音知岳の東の山裾を巻く林道のようだ。この林道を少し南西に辿り、沢を横断するところから林道をはずれ、尾根に取り付いた。

 林道から離れしばらくは緩い植林の中であるが、280mから急斜面の自然林となる。疎林で雪の斜面には鹿がトラバースした足跡が沢山残っていた。この山頂台地まで上がる急斜面は2段になっており、360mで平坦になり一息つく。2段目は1段目より更に疎林で、まるでスキー場のコースのようだ。斜面には形の良い巨木が多く見られる。北側に広がる谷には雪崩の卵が沢山見られる。その向こうの尾根には電波反射板がある。電波反射板までは保守用の夏道があるのかもしれない。


味のある木

斜面 2段目

形の良い巨木

 山上台地の上は本当に平坦だ。疎林が広がるが、巨木はそれほどないが背の高い木が多い。台地上でも東のほうは冬の風下になるのでそれほど風が当たらないのだろうか。台地上中央から北側に流れる谷は深くて急斜面なので南側に巻く。

 3つに分かれた山上台地のうち、531mの山頂のある台地はほとんど木がない雪原である。518mと519mの台地がそこそこ木があるのとは異なっている。本当に平坦だが、感覚で自分で決めた「山頂」とGPSで落としてきた山頂はほぼ一致した。

 展望を得るには台地の縁まで移動した方がよく見えるかもしれない。南西には敏音知岳がよく見える。北方には中頓別の町がきれいに見下ろせる。


山頂間近

山頂・・・

敏音知岳 頂上部はガスだった

 榊原正文氏の山岳形状模式図で鈍角の三角形とされるマツネシリとは、この山の形状は合致していない。pinne sir[男である・地]との対の関係の中で命名されるのではないかと思う。

参考文献
榊原正文,私のアイヌ語地名調査,榊原正文,2000.



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(2007年8月23日上梓)