ポロヌプリ山(841m)パンケナイ川東面直登沢(ポロノ沢)

 道北・歌登町の石灰岩の山。日高累層群の陸地が北の端、北見神威岬に沈む前の最後の高まりである。同じ道北の西興部村に「ポロヌプリ岳」という、やはり石灰岩の山があるが、歌登ポロヌプリには珍しい花があるということが知られている。珍しい花があるということで業者や盗掘者などの踏み跡などあるのだろうか、と思いつつ登ったが踏み跡などは見当たらず、猛烈なネマガリタケのブッシュで守られた小さな花園であった。アイヌ語の意味はporo nupuri[大きい・山]。この地域ではもっとも大きく高い。


 最寄のバス停は道道12号線、都市間バス特急えさし号で「般家内」下車。一日3往復。バス停から林道ゲートまで約6q。ゲートは平日は石灰石鉱山の運び出しの為、開いているようだ。昔はこの道を経て鉱山のあたりから山越えし、山向こうの兵知安川沿いのゴールドラッシュ集落まで郵便配達が往来したそうだが、今では私道扱いなのだろうか。ゲートから鉱山事務所までは5qほどで、ここまで舗装されている。ここからは林道の表示あって入渓点までの1.5kmほどは未舗装だがそれほど荒れていない。入渓点には幕営できそうな広場がある。


 174m標高点の入渓点からせせらぎの川の中を歩く。210mの二股は水量の少ない右に入る。この先地図どおり、谷は狭まってくるが函などは現れないで、ずっと河原だ。両岸は緩い雪崩斜面である。途中の川岸に何かサクラソウの仲間が咲いていたがよく確認しなかった。季節柄シラネアオイを期待していたが全くない。道北には分布してないようだ。いくつかの小滝を軽く越して320mの二股は左に入る。水量は右の方が多く、河床も低い。あとは水流を追うだけである。時々、もう殆どヤブに還っているものの作業道跡が川を横断し、荒れた感じのすることがある。


山頂の様子

 水流はかなり上まであり、谷地形も山頂の北コルの寸前まで続いているが600mより上はかなりの根曲がりブッシュで、水が切れると猛烈なヤブとなり、810mあたりまでヤブ漕ぎは続く。後方には次第にオホーツク海などが見えてくる。ネマガリタケがハイマツに変わると山頂が見え出し、ハイマツは山頂に近づくにつれ丈が低くなる。この日はまだ残雪が少しあり、少々楽が出来たがそれでも一時間の猛烈なヤブ漕ぎだった。雪がなくなったら二時間以上は確実である。


山頂から見た
宗谷丘陵の丘の上

 山頂は、冬場、風で雪が飛ばされて積もらず土中深くまで凍結するのであろう、狭く赤い砂礫地となっており、お花畑である。ミネズオウ、イワウメ、ミヤマキンバイなど多くの種類の花が咲いていた。またハイマツの中にはキバナシャクナゲとチシマザクラが多く咲いていた。展望は北方と西方に宗谷地方らしいノッペリとした笹と疎林の周氷河地形が広がっている。そんな地形の中に小山がポコポコといくつか存在し、なかなか旅情のある風景である。南峰(840m)までの間もハイマツで、踏み跡は全く見られないが南峰には完全に崩れて、高さ15cm程度になってしまった標柱の残骸があった。山の西側には露頭が多くアルペンチックであるが、東側はハイマツの向こうにネマガリタケとダケカンバのブッシュが見えており、高山的ではない。地図のイメージほど岩場はない。コルの北のコブは地図では岩場マークだが、実際は殆どハイマツで覆われている。

 南峰の南側は大きな露岩になっており、キリンソウやミヤマオダマキ、ミヤマアズマギクなど本峰のお花畑とは異なる種類の花が咲いていた。まだ残雪の多く残る函岳、敏音知岳、松音知岳の展望が良い。この日は利尻山は見えなかった。山頂から人工物が見当たらないのに驚いた。



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(2002年5月24日上梓 2003年2月4日修正 2004年11月2日写真2枚挿入 2007年4月4日バス情報修正)