御嶽山 アルマヤ天山(2897m)

 小島烏水は「阿留摩耶山」と記した。賽の河原の北、三の池の南、摩利支天山の東のピークである。五峰五湖の五峰とは剣ヶ峰、摩利支天、継子岳、継母岳、王滝頂上と言われるが、五峰目は王滝頂上ではなくこのアルマヤ天ではないかという気がする。

 賽の河原避難小屋の前から弱い踏み跡がある。杭が打たれている。一旦少し下り、登り始めると赤い溶岩の門がある。王滝頂上奥の院の月の門よりかなり細いものである。少し南側に入る分岐が有り、分岐を南に進むとレリーフがある。直進するとすぐに山頂である。岩礫そのままの山頂には屋根の無い祠がある。山頂の北西の三の池側には岩が積みあがった、先の溶岩のものより一回り大きな石門がある。溶岩の門の穴は三の池からも見える。

 継子U峰の山頂の石塔にも「阿留摩耶天」の文字が見られる。御嶽百草協同組合の木曽御嶽山絵図のパンフでは飛騨頂上と思しき所に「アルマヤ天」とあって神殿のようなものが描かれる。「摩利支天尊」の文字の石柱も継子U峰にある。継母岳同様に御岳講の講社によって様々な位置のアルマヤ天山や摩利支天山があったのかもしれない。


アルマヤ天山
賽の河原小屋付近から

溶岩の門

石の門

参考文献
高頭式,日本山岳志,博文館,1906.



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(2012年9月17日上梓 2023年1月22日URL変更)