伯耆大山 槍ヶ峰(1689m)

 1997年の記録。山体崩壊が進み、更に危険になっているのでは無いかと思う。登山道の抹消も当時より範囲が広くなっているようだ。烏ヶ山から縦走してきて鳥越峠から槍ヶ峰、天狗ヶ峰を経て上宝珠越から元谷に下りた。


歩行日・・1997年5月18日
2.5万図・・「伯耆大山」
時間・・詳しいメモをなくした。烏ヶ山-2:05-ユートピア避難小屋


 鳥越峠からキリン峠にかけてはややヤブ漕ぎである。しかし足元ははっきりしている。白いヤマシャクヤクとタムシバのピンクがまぶしい。


烏ヶ山からルートを見る

 キリン峠から槍ヶ峰を見上げると、鉛筆のようにとがっている姿からその名がふさわしいことがよくわかる。割りと下の方からお花畑状になっていて踏み跡はかなりしっかりしている。ショウジョウバカマ、ツガザクラなど当時の自分にはかなり物珍しかった。中でもシジミ貝のように小さなダイセンキスミレの大群落には感動した。

 畳一畳ほどの広さでずり落ちた、カーペット植物群落などがあり緊張するが足場そのものはしっかりしており、靴がスリップすることもなく慎重に登ればそれほど問題はない。道の両側は崩れつつある崖になっておりカラカラと乾いた音が続いているが上に凸な尾根の上で、落石がありそうなところは歩かない。ただ、数箇所尾根が踏まれた靴幅だけとなり、両脇が草の根でつながれているもののその下がハングしているようなリッジがある。両側は落ちても何とか止まれる斜度だが少々気持ち悪い。

 槍ヶ峰は登ってくると「峰」として独立しているわけではないことがわかる。尾根上の突起であり、西側の下を巻くように道は続いている。槍ヶ峰の先にも行ってきた。危険は危険だが落ちるような所ではない。峰ごと折れそうなやせ尾根であったが。しかしその時点で既に本来の槍が峰は崩れ落ちていて、自分の登ってきたのは槍が峰の残骸だったのかもしれない。

 天狗ヶ峰は地形図にその名を見ないが大山主稜と槍ヶ峰尾根のジャンクションピークである。昔は天狗岩という大きな岩があったが、山体の崩壊とともにある日、天狗沢に落ちて影も形もなくなったという話である。槍ヶ峰ももしかしたらこの時よりもっと槍状になった岩峰があったのかもしれない。

 当時上宝珠越コースは剣が峰に至る唯一の(少しは)安全なルートとなっていたから、ここから先は行きかう人も多かった。上宝珠越から砂滑りコースに入る。このコースは生で砂だけが絶えず流れている沢の中を走って下りる、流れ下る砂で登れない下山専用のコースである。珍しい体験ができたが、かなりホコリっぽかった。土砂搬出トラック用の広い道となり元谷小屋が見えてくると行者谷コースに合流する。背景はブナの新緑がまぶしいものの稜線までかなり砂ぼこりが掛かっているように見えた。


象ヶ鼻から烏ヶ山を見下ろす

象ヶ鼻から天狗ヶ峰と槍尾根を振り返る

元谷に下りて振り返る主稜線


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(2002年6月22日上梓 2002年10月13日修正)