東丸山(1666m)
幌加川五ノ沢北面直登沢

 東大雪はウペペサンケ山の西隣の丸い山。丸山の南隣なので「東」丸山の名はおかしいような気もする。丸山、東丸山、ニペソツの大平、で、丸いダンゴ三兄弟といった感じだ。北面沢は残雪期のルートとして見つけたが、雪がなくてもわりと楽に登れる。鹿道が発達している。廃道になった菅野温泉からの登山道でヤブを漕ぐよりも五の沢を遡る方が楽かもしれない。


東丸山の地図 直登沢出合までは丸山記事参照。


最大の滝

 五ノ沢の滝場を過ぎてすぐ、左から流れ込む水の冷たい清流が直登沢だ。水中の苔むした岩はこの沢の水温が比較的一定であることを示している。いくつか滝があり登りは楽しめ、下りは鹿の巻き道で降りて来ることが出来る。この沢は鹿も東丸山登山に使っているようで鹿の足跡が山頂間近まで続いている。ヤブはそれほど濃くなく、うまく鹿の足跡を辿れるとハイマツを避けて、稜線まで登れる。

 出合の標高は1060m。ガレや倒木の多い中にいくつか小滝が現れ涼やかに登ることができる。1200mで大水源に達し、全ての水はここから出ていて、一時ここより上では水流がなくなる。水は非常に冷たい。

 やや潅木の茂る涸れた二股を右に折れ、しばらく登ると、水流は細いながらも復活する。水流は1400m付近まで続き、細い水の滴るほとんど涸れた滝を快適に直登していく。下降が恐い滝でも右岸に立派な鹿の踏み跡がついていて巻くことが出来る。

 1400mを越えると完全に水流はなくなり、ヤブに入る。ヤブは薄め。ヤブを漕いでいくと右手にハイマツの斜面を見るようになる。ハイマツ漕ぎは避けたい所だが、このハイマツ林は上で途切れ、その上は草原になっているが、下からはわからないので、このハイマツ林を左から回りこむように漕いでいくと少ないヤブ漕ぎで山頂まで登れるだろう。

 ハイマツの上の草原はごく細いが、その上はしばらく膝下の低木ブッシュ。再び草原となりその上で少しだけ樹林のヤブを横断するとその上はカーペット斜面だ。水が切れてからカーペットを経て山頂稜線までごく薄い鹿の踏み跡があるので、これを見失わないようにしたい。カーペットはハナゴケの仲間が多くフワフワだ。


丸山から見た東丸山

 登って上から望見するに、源頭の左(東)側には細くカーペット地帯がかなり標高の低い所まで下りて来ているので、うまくこれに当たればより楽に山頂に達せられるかもしれない。

 稜線にはすっかりハイマツで覆われているが踏み跡があった。 


噴泉塔の池から見上げる
東丸山

 踏み跡があるとは言え濃い稜線のハイマツを漕いで着く。山頂には、四畳半ほどの礫の広場があり、これを参考にした「ガイドブックにない北海道の山50」では高山植物の植生破壊と書かれていたが、これは測量櫓か何かの跡で、元々お花畑ではなくハイマツのみを切り開いたものだと思われた。草本の高山植物が元々あった山頂とは思えない。ハイマツの切り開きでも植生破壊は植生破壊だが。

 山頂は平坦で広く、少し移動しないと谷底は観察できない。丸山と大平は双子のように並んでいる。ウペペサンケ山は鋭くとがっている。菅野温泉からの廃道は一部望見できるが、ほとんどハイマツに覆われているようだ。

 この日の十勝平野は雲海で覆われ、山々はどれも際立って見えた。南方にはピシカチナイ山の尖峰の向こうに日高山脈が横たわり、ソエマツ岳やピリカヌプリ、幌尻岳をはじめ、1839峰まで同定できた。残雪の残る大雪山・十勝連峰も全てが見えた。

参考文献
八谷和彦,ガイドブックにない北海道の山50,八谷和彦,2002.



トップページへ

 資料室へ 
(2002年7月28日上梓)