山名考
オサッペヌプリ・サマッケヌプリ(屈斜路カルデラ外輪山)
オサッペヌプリは尾札部川の水源の山と言った意味合いである。尾札部川は o- sat pe[その尻・乾いている・もの(川)]。現行(2014年)地形図のオサッペヌプリ(860m)の位置は尾札部川の水源に当たっておらず、おかしい。道庁20万図ではコトニヌプリとサマッケヌプリの間の釧北国境上の山とされているが、860m峰(現オサッペヌプリ)のような緩やかで突出の小さい山としては描かれていない。尾札部川の水源にあたる現在のサマッケヌプリの高まりが本来のオサッペヌプリではなかったか。
現在のサマッケヌプリがオサッペヌプリだとすると、本来のサマッケヌプリはどこかという話になる。サマッケヌプリはその音からアイヌ語の samatki nupuri[横たわっている・山]で、道内の他のサマッケヌプリを見ると横たわったようなのっぺりした山に名付けられるようである。現サマッケヌプリは頂をもってそれなりに突出した山らしい山容で、samatki nupuri と呼ばれる姿ではないような気がする。
現サマッケヌプリの南東の896.5mの三角点のある高まりが本来のサマッケヌプリではなかったかと考えてみる。横に長いのっぺりした山容である。
参考文献
更科源蔵,弟子屈町史,弟子屈町役場,1949.
北海道庁地理課,北海道実測切図「屈斜路」図幅,北海道庁,1895.
北海道庁地理課,北海道実測切図「釧路」図幅,北海道庁,1895.
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