札内川--歴舟川連絡ルート
(札内川二の沢と無名の歴舟川支流)
途中まで

地図 日高山脈の山は川筋を辿って山頂を目指すのが一般的ですが、支稜を越えて縦横に歩けるともっと楽しいかもしれない。歴舟川中流部の長い河原歩きと泳ぎの必要な核心部を省いて、上流部の楽しそうな所だけを楽しめないかと、比較的奥の方まで車道の延びている札内川から歴舟川の上の方に出るルートを試してみた。

調査日・・・2003年10月19日(二の沢コルまで)、2004年7月18日(あと少し)
五万図・・・「札内川上流」
参考時間・・・登り2時間半(二の沢コルまで)
ページ内ジャンプ・・・歴舟側


★コルまで(二の沢)

札内側の地図 入渓点付近に車を停められる場所はない。札内ヒュッテ前か札内ダムサイトに置いてこなくてはならない。これが連絡路としては難である。

 二の沢に掛かる橋(名前失念)の西側から沢に下りると、そこはひどい堆砂の河原で、伏流気味だが橋が見えなくなると正面に大きな流木の詰まった、滝ともチョックストーンとも区別できない、滝のようなものがある。これを流木やら岩やらで真ん中から越えるとすぐに溝状のナメ滝が現れ、この沢の核心部である。

 このナメ滝は取り付きの出っ張った岩にホールドがなくて登りにくく下りにくい。右岸に湿気たルンゼがあるが服が汚れそうだったので試していない。水流の中でも登れそうな気もする。その上に続くやや幅広な次の溝状のナメ滝を登り切ると空が開け、目の前の580mの二股は左がほとんど崖垂のような状態でガレを押し出している。このガレからも登っていけそうだが、普通の沢の様相をしている右に入る。この辺りは雪崩の末端にもなるのか倒木が積み重なって歩きにくい。620m付近で再び沢の中が狭くなり、小さな階段状の小滝がいくつか現れていい雰囲気だ。

 700mで再び沢が開けてくると次第に沢の中がガレだらけになり、740mほどでガレの小山に突き当たり、その下で水が湧き出ている。このガレの小山を登ると上は平坦に砂利が詰まれたような台地で沢の中という感じがしない。

 ここから上は小規模ないわゆる「蛇抜け」になっていて、滑らかな水気のない一直線のガレをずっと上まで登っていく(ジャヌケのジャは粘土を指すと言う)。この蛇抜けは1100m以上まで続いている。最後に蛇抜けが終わると、もうそこは源頭の雰囲気も通り越して稜線間近な普通のヤブの薄い斜面で、左にトラバースしてコルを目指す。しかし蛇抜けのゴロゴロした岩は足の裏に優しくなく、下りは適当にヤブを下りた方が気持ちが良いかもしれない。

 コルにはうっすら踏み跡のようなものを感じた。展望は良くなく、すぐ南側も笹薮になっていて帰路に使った場合ヤブ漕ぎがが大変になりそうだと感じたが、少し稜線を東に移動すると見晴らしの良い岩場があり、正面に1599m峰とこれから下りるべき歴舟川支流の沢がすっかり見渡せた。

 この歴舟川支流はガレた沢で上部では広く土が露出して、下部ではガレが詰まっているだけの様子が観察できた。沢幅も広く、それほど切り立った部分もなく、おそらく歴舟川に何の問題もなく下りられるだろう。源頭のヤブ漕ぎもこの岩場を目指してくれば殆ど無いに等しい。・・・と思っていた。


蛇抜けの沢

歴舟川側

★歴舟側

 歴舟側に下りて、広いガレ沢はガレの脇の樹林帯を笹につかまりながら下降。ガレ場のすぐ脇は地下水が回らないのかヤブが薄くなっていて登り下りしやすい。雪庇のようだ。 ガレ場中央は上から見下ろして「行けそう」と即断してしまったが、実際近くで見ると落石が恐くて下りてみようという気にならない。

 800mで西側からの枝沢を合わせ、これより下までは落石もそう落ちてこないと思われ、沢の中を歩くことにする。標高750m辺りまでは当初の予想通り、堆砂に埋まっていて下りる分に何の問題もなかったが、それより下がV字状の険悪な沢だった。

 上から10mナメ、5mCS、15mナメ、10m直瀑、ここまでしか確認していない。ナメはいずれもそのまま下りるにはちょっと躊躇する傾斜だ。しかし下の方の傾斜が緩くなっていて大きな滝壷があるので滑って落ちても怪我しなさそうではある。

 10mナメと5mCSは合わせて右岸のヤブから、15mナメは左岸草付きから巻いて下りることが出来たが、その下の10m直瀑は雪渓の下に落ちていて、雪渓の下にはゴーロのような様子が見えるものの、雪渓には川岸が切り立っていて近づけず、くぐるにしても雪渓の下の見えない部分に更に滝が潜んでいたらどうしようもなくなるので諦めて引き返すことにした。

歴舟側の地図 標高差ではあと、50mも下りれば歴舟川本流に下り立てたはずだったが、自分の現在の技量では諦めるしかなかった。下りの初見なので余計恐そうに見えたのを差し引いたとしても、巻き道の出来る前のヌビナイ右股と同じ位のレベルであろうと感じた。雪のなくなる時期に再挑戦してみたい。

 1600m峰(=1599m峰)に短時間で登れるルートになりはしないかと、この沢と1600m峰(=1599m峰)直登沢の等高線の間隔を見て想像していたが、このガレ沢でもこれほどの険しさなのだから、等高線密度がより高い1600m峰直登沢もこれ以上のものであるだろう。歴舟川は支流でも甘くなかった。

 帰路は水のある標高900m付近まで沢詰で登り返した。10mナメと5mCSは引き返すと決めてから、さっさと渓流足袋をスパイク足袋に履き替えたのでヤブから巻いてしまい、直登出来るかどうかはわからない。800mより上ではホールドの多い岩盤の滝が続いて、周囲の景色は瓦礫ばかりで荒涼としているが登る分には面白い。900mで水が消えると岩盤も瓦礫に埋もれ、落石の危険も高いので素直に右岸の際のヤブの薄い部分を登るのがよいと思われる。


(補記2005/9/4)歴舟川を遡行されたふ〜ちゃんが、二の沢向いの沢(右図の沢)の一番下の10m直瀑を下から偵察してきた様子を教えてくれました。彼によると「この直瀑が周囲が壁に囲まれて、どう登降するかが問題になると思います。下りはどこかにピンを打ってラッペルするとして、登りは・・・?です。直登は無理っぽいですね。高巻きは640付近から左岸を大きく巻くか、バイルでダブルアックスかな(笑 」とのことです。

そうですか・・・、下りられても登れない滝ですか・・・。このルートはあきらめた方がいいのかもしれません。また、1599m峰に登る「北東面直登沢は!!*クラス、北西面に至っては!!!クラスでした(苦笑」とのこと。1599m峰は更に遠ざかった・・・

(補記2006/8/7)1994年にこのコースを辿ったKANAさんからメールをいただきました。以下引用。

1994年の時の記録ですので少々あいまいな所もありますが参考までにメールします。

8月末ごろでしたので雪渓はありませんでした。札内川側は省略します。尾根を越えて下る沢ですがまあ知ってのとおり上部はガレ沢で落石に注意しながら下り、水が出てくると小滝が次々と続き、核心部の滝は6つ。左岸、右岸とヘズり、1ヶ所だけ1m弱のジャンプ。(草を掴んでずり落ちたが下にしっかりしたテラスがあり、なんとか足が届いた。)結局ザイルは使わず尾根から2時間程で歴舟川へと降り立ちました。

あとはヤオロマップ左沢に入り、ヤオロから1839m峰をアタックしてコイカクから下山しました。この核心部の6つの滝は少々手こずりますが下れます。ただしのぼり返すのは難しいのではないかと・・・。私も滝を降りて振返った時、よくこんな所を・・・と信じられないようなナメ滝でした。行くにはある程度の経験者でないと危険です。

いや、やはり目指してみますぞ!

※1599m峰は再測量の結果、1600m峰になったが、1839峰同様に古い標高の呼び名が通称として残っている。



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(2004年3月20日上梓 2004年7月21日加筆 2005年9月4日補記 2006年8月7日補記)