楽古岳(1471.5m)
コイボクシュメナシュンベツ沢

 楽古岳は日高山脈で一般的に登られるもっとも南の山。コイボクシュメナシュンベツ沢は楽古山荘をベースに一日で登って、下山は登山道を使って楽古山荘に戻ってこれる。面白く、日高の要素を十分に含んでいる。難しいところはないので遡行図は不要だが、ナメ滝の高度があるので高さにびびらない程度の経験は必要。


遡行日・・・2000年8月24日
五万図・・・「楽古岳」
所要時間・・・楽古山荘-0:30-十勝岳直登沢出合-3:00-山頂
出典・・・北海道の山と谷 下巻


 楽古山荘は浦河山岳会が管理していて無料、事前予約なしで利用できる。駐車場有。メルヘンチックな外観でちょっとしたペンションのようだがトイレの臭いが気になることもある。浦河から国道236号線(天馬街道)上杵臼の楽古岳登山口の標識で右折して林道を9q走った先にある。公共交通機関は、札幌と広尾を結ぶ高速バス「広尾サンタ号」上杵臼下車。平日のみならJR日高線日高幌別駅発の日交バス上杵臼木村宅前行き終点下車。レンタカーなら静内町で。


楽古岳コイボクシュメナシュンベツ沢の地図 楽古山荘から十勝岳直登沢出合までは普通の林道歩き、作業道歩き、河原歩き。全部で30分。十勝岳直登沢出合からおもちゃの様に小さい釜と滑滝、2,3段。このあと、両岸が切り立って日高っぽくなる。さらに河原を5分歩くと第2のおもちゃの様な函、滝。適当に巻ける。1つまとも滝もある。

 合わせる支沢が滝になって落ちていることが多く、岩崩れの跡もあったりしてやさしい割りには日高らしい雰囲気だ。

 伏流になりしばらく行くと前方に水量の少ない滝が見え、本流は滝の下の手前の尾根に隠れてその滝が本流かと勘違いし易く本当に本流なのか不安になる(770m付近)。でも直進。ここの伏流帯には沢の谷底だと言うのにナキウサギの声が響いている。

 クランク状になっており、隠れていた本流が見え出す右への曲がり角から先はずっと滑滝。一番始めのがかなり高いが直登簡単。あとはひたすら水量の多い方を選択し滑滝を直登して高度をぐんぐん稼ぐ。かなり快適。

 滝に入ると北向きの沢筋なので名残の、赤みの濃いチシマゲンゲがまだそこここに咲いていた。稜線でないので草丈が高くゴージャスな感じだ。他にはトリカブト、フキユキノシタ、オオイワツメクサ、ミヤマセンキュウ?山頂にはミヤマキンバイ。沢の下の方ではサラシナショウマ、ホザキナナカマド、など。

 1200mで水は切れる。最後のもう稜線が見えるところに最後の二股。どちらでも国境稜線まではハイマツに触ることなく、土にも触ることもなく(岩ころなので)上がれるが、右が正解。右なら2mのハイマツ漕ぎで登山道にぶつかるが左に入ってしまい、登山道まで10分ほどハイマツ漕ぎする事になってしまった。

 あとは3分ほどで山頂に着く。


 あまり言われないが楽古岳はかなりの花の山。種類は少ないけど量がすごい。日高側で5月は沢沿いのエゾエンゴサク、尾根に取り付いて登山道を埋めるカタクリとエゾオオサクラソウ。6月は沢沿いの「典型的な」ヒダカハナシノブ、尾根の下から山頂直下まで咲くオオバナノエンレイソウが素晴らしい。

 2009年2月25日付朝日新聞夕刊(北海道版)の植物写真家・梅沢俊氏が書かれた記事「山花ものがたり」でチシマゲンゲが取り上げられ、自分がこの沢で見たチシマゲンゲと同様な植物の写真と文章が掲載された。チシマゲンゲに似たその姿が稜線で生育するものと異なるのが、生育環境によるのか、そもそも分類が異なるのか、結論はまだ付けられないとのことだった(但し日高山脈南部の渓流沿いにおいての写真ということでコイボクシュメナシュンベツ沢での写真とは明言されていない)。



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(2002年1月23日上梓 2003年5月19日修正 2008年3月4日標高修正 2009年2月25日交通機関・チシマゲンゲ関連補記)