白水岳(1136m)臼別川

 遊楽部山塊の南西の雄。実は臼別川から遊楽部岳に登るつもりだったが、途中で読図を間違えて、戻るのが面倒なので白水岳に変更した。白水岳の名は見市川支流白水沢の名から付けられたのだと思うが、白水沢は白水岳には突き上げておらず、おかしなネーミングだと思う。


 峠下バス停から臼別温泉までの林道歩きもいろいろ植物が生えていて楽しい。


峠下バス停
(函館バス)

国道の臼別温泉
入り口看板

ノブドウ
食べられません

カラハナソウ
(野生在来ホップ)

クズ

臼別温泉の建物
(湯とぴあ臼別)

 臼別温泉からすぐゲートがあり、林道をたどって屈曲部で沢に下りる。途中見下ろす臼別川は深く切り立った谷だ。支流はガレに囲まれ荒れた雰囲気だが、まもなく深く切れ落ちた谷底となり2つ、5mほどの豪壮な滝を巻いて下りる。入渓点のあたりから魚影が濃い。


林道から見下ろす谷
(臼別川本流)

入渓して
すぐ

支流の滝
これを下りる

 本流に降り立つと、「北海道の山と谷」!レベルでは済ませなさそうな函地形が上流側に続いている。大概の函地形は小石で埋まっており何事もなく通過できる。滝はいくつもあるが大抵は何とか越えられる。一つだけ、右から大きく巻くものがあった。全体的に「北海道の山と谷」!レベルよりは高いと思う。

 最初に左手から合流する沢は、地図上(五万図)の書かれ方から、広くなって河原状に合流するのかと予想していたのだが、函の中で門状の隙間から緩いナメ滝となって合流していた。

 水も地図のイメージより、本流と比べて少なかった。だから、これを地図上230mの沢と考えず、地図に現れない枝沢と考えて通過したので、その後の地図読みが狂ってしまった。


臼別川本流



沢の雰囲気

本格的ゴルジュがある

 270mの二股は顕著な河原の二股で、これを230m二股と思い通過。ここまで入渓してから2時間近く経っていたことを考えるべきだった。ここまで函状の地形が続く。五万図の崖記号は少な過ぎると思う。読図の難しい箇所ではあると思う。この河原には錆びた鉄パイプが落ちていた。まだ上流に何か施設があったのだろうか。また、河原のわずかに下流右岸に石の色が緑味を帯びた青色に変色している箇所があった。塩化銅(II)二水和物の色に似ている。「北海道の山と谷」の記述にある「不思議な青い滝」だが、滝と言うほど水は流れていなかった。わずかな水流があって、掬ってみるとほぼ透明だったけれど口に含んでみる気にはなれなかった。


青い色が付いた岩

河原に転がる鉄パイプ

 270m二股を発つとすぐまた豪壮な滝が2つ続く。二つとも右から巻いた。この2つの滝のうち上流の方を巻いている途中で立派な作業道跡が左岸にあることに気が付いた。これは次の270m二股から320m二股の間の3つの滝のうち、三番目の滝の手前で沢に見えづらく合流していた。どうも函地形をすっかり巻くような作業道があるような気がする。三つ目の滝は越えるのは楽だ。


270m二股すぐ上の滝

出合間 三つ目の滝

 「北海道の山と谷」の「遊楽部岳 臼別川」の項の技術レベル評価は下流部分が!にしては難し過ぎるとの意見があるが、この作業道跡を下から見つけられれば「!レベル」と言うことではないかなと感じた。340m二股は0.7:1で本流の左より右のほうが水が多い。

 340m二股で遊楽部岳へは左に行くべきところを右に入り、いつまでも進行方向が南東から変わらず次の二股も現れず、おかしいと思いながら約1時間、500mの屈曲合流部が現れて自分は間違っていたと確信。怪しみながらの遡行で時間も遅くなっていたので戻るのは止めて、そのまま白水岳を登ることに変更した。ここまで320m二股から上に滝は全くない。平凡な渓相が続いていた。

 白水岳北西面直登沢はガレガレながら傾斜がきつくて恐ろしい渓相なのでパス。その先で本流は短いながら小滝登りを楽しめる部分が出てくる。740mで北東面直登沢に入るが、760mの二股で直登沢は左より水が少ないので、ヤブ漕ぎが長そうな気がしてパス。山頂でなく登山道のある稜線に上がることにした。


北西面の先の滝場1

北西面の先の滝場2

北東面直登沢出合

 水が切れて15分ほど猛烈なネマガリタケのヤブを漕いで縦走路に出た。花崗岩で有名な遊楽部山塊だが、どうもこのあたりは花崗岩ではない。凝灰岩のような雰囲気で源頭には灰色や茶色の粘土の露頭が何箇所もあった。


白水岳登山道から望む冷水岳

 登山道はあまり歩かれていない雰囲気だが荒れてはいない。やや草(ヨツバヒヨドリ・ウドetc)や少しのネマガリタケがかぶっている部分があるが足元はしっかりしていた。白泉岳まで素晴らしい展望の広がる縦走路だった。冷水岳が尖っていて格好良かった。道南アルプスの名に偽りはなかった。

 登山者が少ないと言われる白水岳登山道は白泉岳の南側山頂直下のみ、ひどく笹がかぶっていたが、それ以外は思いの他きれいな道だった。二股の滝の水場の上のブナの大木が倒れ、急斜面のロープを巻き込み、ロープが外れて荒れていた。

 この年はブナの実の当たり年だったようだ。落枝にたくさん実が付いていた。ブナの実りと関係あるのかどうか分からないが、稜線の登山道でヒグマの掘り返しはほとんど見られなかった。

 展望に感動し、素晴らしい登山道である思ったが白水岳から先、中白水岳(1124m)、南白水岳(1122m)、白泉岳(1043.5m)と3つものピークを越えていくので大変ではあった。

 ブナの落枝は折れ口が鋭いのか、地面に突き刺さって立っているものが多かったのが印象に残った。



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(2007年10月3日上梓 5日写真挿入 8日地図挿入)