日高山脈の本、写真集

 日高山脈に関する写真集ではまだ、「これは」と言うものを見つけていない。自分のコンパクトカメラで、人に見せるわけでなくても「北アルプス大辞典」みたいな写真を撮り続けられたらいいな、と思う。

記録集・図鑑 写真集的


日高山脈 自然・記録・案内 北大山の会編/茗渓堂/\2200/1971.5
 日高山脈の北大のまとめ。そろそろ情報が古くなってきている。登山情報というより、古典として読んだ方が楽しい。その中に意外なルートが隠されていたりする。日高に入り始めてすぐより、ある程度日高山脈の概要が分かってきてからの方が読んでいてうなづけるものがある。

日高山脈の四季 北海道新聞社編/北海道新聞社/\2300/1998.10.28
 夕刊の連載をまとめたもの。写真+記事。新聞用の写真の為か、引き伸ばされた写真の輪郭にブレがある。山そのものの写真はやや少なく、麓に暮らす人の営みが主題のようだ。写真集のような外装だが写真集というよりは読み物である。登山者の視点はあまり入れられていないようで、少し文章に青臭さがある。

北海道の自然D 日高山脈 兼本延雄/淡交社/\1648/1988.7.25
 飛行機からの空撮写真がほとんど。空撮は反則だよな〜、と思うけど雰囲気の似た山が連なっている日高山脈は空撮に向いているかもしれないとも思う。冬の日高の山のひだが美しい。値段が安いわりにはきれいでお買い得だ。

神々の彩 兼本延雄/京都書院/\3800/1987.7.13
 日高山脈は確かに神々しくはあるが、この題名は少し張り切り過ぎではないだろうか・・・。昔のアイヌの人々はその神々しさに神orカムイを見ただろうか?大雪山を表す「カムイミンタラ」同様、神そのものでではなく、カムイの坐ます処としての神々しさまでだったように思う。飛行機から見てしまうと神の視点に近くなって恐れ多いかも・・・。この本の写真の迫力は圧倒的である。自分の視点は現代的に過ぎるのかもしれないが美しさのカムイが居た気がした。


写真集 日高山脈
 北海道撮影社編/北海道撮影社
 日高山脈関連の書物の中でもっとも大判でもっとも豪華本。函入り。後半の解説の部分が読み物としてはよくまとまっていて面白い。写真は大きく引き伸ばしすぎたのか輪郭がぼやけている。当時の技術力なのかな?最近の北海道撮影社の出版物にもこの写真集の宣伝が載っているけれどアプローチしたら手に入るのだろうか?

日本の山と渓谷3 日高連峰 伊藤健次/山と渓谷社/\1900/2000.8.5
 稜線と共に日高を印象付ける美しい沢の写真がそこそこ入っているので実際登っている者としては満足がいく。ただ長い長い日高山脈を写し尽くすにはページ数が少なすぎるシリーズだ。

山渓山岳写真選集18 日高連峰 梅沢俊/山と渓谷社/\2900
 残雪期の山の姿がよく写されている。というか、日高の山を自由に歩けるのは残雪期しかないから残雪期が多いのは仕方ない。植物の専門家なので低い視線の植物の写真も美しい。

日高山脈 遥かなる山並み 市根井孝悦/山と渓谷社/\3800
 比較的ポピュラーな同じアングルからの景色を季節を変えて撮影しているので多少物足りなさを感じた。市根井さんの写真は人柄があらわれているのか優しい印象のものが多いので冬の日高の厳しさなどには向いていないのかもしれない。

北海道夏山ガイドC日高山脈の山々 梅沢俊・菅原靖彦/北海道新聞社/\2200/1994.4.5増補改定
 夏山ガイドなので夏道だけのガイドだがそれでも立派な一冊になっている(一部沢歩きもあり)。シリーズの中でこの巻の特色としては、山頂からの景色の説明に山並み連なる日高らしくパノラマが多用されていることが挙げられよう。


アポイ岳の高山植物
 高橋誼/様似町
 特産高山植物の宝庫アポイ岳のミニ植物図鑑。値段は忘れたけど1000円はしなかった。登山口のアポイ山荘などで売られています。ベストセラーで増刷を続けている。
 アポイ岳登山の記念にそれほど植物に興味の無い人もどうぞ。ただ、使いやすいとは言い難い。フィールド図鑑として使うより、「アポイ岳にはこんな植物があります」ということを机上で知るのに良いと思われる。

北海道山の花図鑑 アポイ岳・様似山道・ピンネシリ 梅沢俊/北海道新聞社/\2300
 アポイ岳周辺に限った山に生えている植物の図鑑。高山植物だけとは限らない。アポイ岳、ピンネシリ、様似山道のガイドも付いている。様似山道のガイドは珍しい。様似町版に比べると割高だが学問的厳密性が高そうな感じである。小さいサイズでビニールカバー付き。




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(2004年8月21日上梓)