個別の地名の解釈や比定について、一部に疑問があるものはあるものの、現地観察情報と出典と先行説の一覧等は全く他では得難い。将にデータベースである。 (2017年6月) |
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地名アイヌ語小辞典・アイヌ語入門 知里真志保/北海道出版企画センター 知里真志保の一般向け代表作2冊。いずれも復刻版が出ている。新書サイズでお値段もお手ごろ。これらを読むとアイヌ語と日本語の同系論、共通語としての縄文語の前提・存在証明は素人的に相当困難というべきか、殆ど無理なのではないかと言う気がする。日本語が分からないからと言ってアイヌ語の単語だけ取り出した逐語訳はイケナイ。アイヌ語を通して日本語地名を付けた古代日本語使用者の地形をどう見ていたかの心を読む。日本語を客観できる。「古老かならずしも真を語らず」はアイヌ語とアイヌの人たちだけの話ではない、などとコワイシロートが言ってみる。初版は1956年で、その後に分かってきたこともいろいろあるので、引用などする場合は時に応じて20世紀末に発行された新しいアイヌ語辞典等で確認するべき。 (2011年3月) |
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地名の歴史学・地名の楽しみ 服部英雄/角川書店 心構えと目標の本。分かり易い振り返り方。お話をもっと聞きたくなる。「地名の楽しみ」は文庫簡略版。 (2011年3月) |
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地名学の基礎と、地名学が出来ることの例。扇情的なタイトルだが、邪馬台国に関する結論は平凡。その後の展開に対して怪しい箇所もある。古い書物に書かれていないからといって卑弥呼と同時代の今の関東地方に「王」と呼ばれうるような人物がいなかったと言うことにはならない。卑弥呼が九州人であったとしても同時代に今の近畿地方にもそれなりの権力者が居なかったと言うことにはならない。古い書物だけでは居たかどうか分からないと言うだけである。タイトルに関わる内容は邪馬台国論争自体が御当地邪馬台国など変な方向に向かっているのに差し水することだったのではないかと思う。まだ分かっていないことが世の中にあって当然と認めること、今ある資料から推測できる範囲はここまでと認めること。この本の意義は旧記の中にある地名を考える方法論であろう。 地名用語語源辞典は数少ない信頼に足る日本語の地名用語の語源を辿れる辞典である。それまでの他の辞典には信頼に足らない部分が多く含まれるが、その中でも信頼に足る部分はこの辞典が出典を明記して汲み取っている。他にもこの辞典から始めないと気付かないことは多い。ただ、意味は書かれているが用法は書かれていないのでそれは別に確認する必要がある。もちろん個別の地名の意味を知るには、この辞典にある言葉をただ引用するだけでなく実際の地形やその土地の歴史とも照らし合わせて確認する必要がある。この辞典に載っている用語で全てでもない。この辞典が終点ではなく、起点である。多くの項目で「崩壊地形・浸食地形」とされているが、崩壊地形・浸食地形には様々な形態があることは理解すべきである。 (2011年3月) |
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ウィキペディアンが地名の由来を書くのに参考にしたらいかんと思う本
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