函館山 稜線の地図函館山 主稜線

 稜線上には2本のルートがある。道道立待岬函館停車場線のツツジ山駐車場から千畳敷までと、旧登山道の五合目から千畳敷までである。主稜線上には水元山・八幡山・牛の背山と名前の付けられた小さなピークがあるが、どのピークも登頂対象とはなっていないようだ。千畳敷戦闘司令所跡は御殿山より南の最高点だが、特に山としての名前は付けられていないようだ。


★道道立待岬函館停車場線
つつじ山〜千畳敷広場(所要約30分)

 つつじ山駐車場の奥にゲートがあり、そこから先は未舗装歩行者専用道状態である。無線アンテナの保守の車両や公園管理の車だけが通るのであろう。道は稜線間近を巻いて平坦に続いている。

 ゲートの先、ずっと未舗装の車道である。入江山分岐を経て、つつじ山を回り込むと函館山の西海岸、寒川の展望が広がる。海岸近くの低いところに杉林が広がっているのが分かる。


寒川海岸の展望

 水元山・八幡山・牛の背山へは名前が付いているだけに踏み跡があるかと予想していたが見つけられなかった。

 道沿いに津軽海峡の展望以外に目に付くのは三十三観音巡りの観音様と、少し年季の入った花弁付きのカーブミラーだ。

 牛の背山の南で旧登山道コースと合流し、稜線の西側から東側へ移る。この鞍部が函館山を寝ている牛に見立てた時の「牛の背」なのだろう。「臥牛山」の名と「牛の背」の名と、どちらが先だったか気になる。

 進むと月見台の分岐で戻るように登ると千畳敷砲台跡の一角に出る。直進して道道立待岬函館停車場線。御殿山から見るとウェストの引き締まった函館トンボロだが、このあたりからは少し斜めに見る事になり、ロープウェイ駅のある御殿山から見るよりはウェストが引き締まっているように見えない。地蔵山の斜面が美しく望まれる。鶯谷登山道が途中で昔は合流していたはずだが分岐点はよく分からなかった。切り立った斜面に道が張り付いている。戦闘指令所跡へ直接上がる分岐(観音様有)を分けて、すぐに休憩舎と水道・トイレ・ベンチのある千畳敷広場に達する。道道立待岬函館停車場線は、この広場の先、ヤブに還った廃道となって千畳敷を下っている。上部では痕跡はまだ明瞭である。


★月見台〜千畳敷戦闘司令所跡(所要時間約10分(見学含まず))

 月見台から右に入り、突き当りから千畳敷砲台跡地が南へ続く。道は跡の東に沿って車道が付けられている。最初に現れるものは大きな煉瓦塀で弾薬庫らしいが上にまで木が茂っている。公園として整備中のようで立入自粛区域が大きく設定されているようなので遠方から眺めるだけにとどめる。この弾廠のすぐ脇に観音様と皇太子(大正天皇)御野立の碑がある。

 しばし要塞の雰囲気から離れるが、要塞跡は稜線に沿って右(西)側のヤブの中に隠れて続いているらしい。次のランドマークであるJRの無線局は鉄格子やらブ厚そうな扉やらで、それらに蔓植物が絡まって、今も使っているのかどうかも分からなく恐ろしげな雰囲気。道と無線局の間には煉瓦で固められた溝(要塞跡・塹壕?)があって鉄格子と相まって恐ろしげであった。


弾廠の
入口

皇太子殿下
御野立所碑

JRの
無線局

 廃道になっている寒川への道を分けると気象庁のレーダーだが、この下には大きく立入出来る要塞跡がある。囲まれた広場の隅に何やら四角い煉瓦積みの穴が複数あるが、貯水池のろ過糟だったらしい。井戸のような蓋をされた穴もあったが、この稜線の地で井戸は掘っても水は出なかっただろう。雨水タンクでもあったのだろうか。階段や通路が砲台を経て戦闘司令所跡近くまで続いているが、掘り込まれた窪地の中なので非常に静かである。


四角い遺構

夏草や・・・

ウバユリ立つ

エゾフウロ

アザミが多い

オミナエシ

砲台跡(?)の一角


千畳敷近くの道道から
大森浜・亀田半島

★旧登山道五合目〜千畳敷広場

 この道は要塞時代の軍道のようだ。車の幅がある。クシャクシャと水元山の直下を折れ曲がって登る。水元谷源頭ということで湿っていることが多いのだそうだ。古い石垣が崩れていると石垣の石の内側(土側)が赤い。どこから持って来た岩なのだろうか。

 森の手入れ場を下に見る。几帳面な感じのする石組みの排水路が見える。森の手入れ場の後ろには要塞の遺構の穴が口を開けていて、ちょっと怖い。森の手入れ場の上で汐見山コースと合流する。

 落石注意の露頭をいくつか過ぎて牛の背分岐に達する。

地蔵山をへて立待岬方面へ下山(サイト内リンク)

参考リンク
北海道道路レポート”カントリーロード”>>一般道道675号 立待岬函館停車場線(閉鎖されたようなのでリンクを外して夫々のURLを記しておく。http://www.hokkaido-douro.net/、http://www.hokkaido-douro.net/dodo/r675/r675.html)
自己満足 北海道>>道道675号函館山周遊道路計画編とおまけ
ようこそ要塞探訪へ>>戦斗司令所(閉鎖されたようなのでリンクを外して夫々のURLを記しておく。http://www006.upp.so-net.ne.jp/fortress/introductionja.htm、http://www009.upp.so-net.ne.jp/fortress/tsugaru/sento1.htm)



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(2009年9月26日上梓 2010年4月19日加筆 2019年8月9日リンク修正)