観音山(約100m)

 えりも町市街地の裏山。昔は北海道庁所管の山という意味での「官の山」だったそうだが、明治21年に三十三観音巡りが作られてから観音山になった1)そうな。

 三十三観音を作ったのは沢町の法光寺。33番目の観音様は法光寺の境内にある。

 登山道はほぼ3本。幌泉灯台から玉砂利の道を直登するルートと、三十三観音巡りの上りと下り。他に東へ延びる尾根上にも踏み跡がある。

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えりものかんのんやまのちず

★幌泉灯台から直登(玉砂利コース)

 幌泉灯台の下には駐車スペースがある。そのまま直登するが、下の方はカシワや笹の落ち葉が積もっていてはっきりしない。登るにしたがって落ち葉の下に、どう考えても山の上にはありえない青い玉砂利が敷かれているのが分かり、ここがコースだったと分かる。尾根上に出てからは尾根の上を辿る。山頂には2本の槍のようなアンテナがある。アンテナのための電気設備のようなものの残骸もある。樹林の中で展望はそれほど開けない。


★三十三観音コース

 幌泉灯台への車道のヘアピンカーブから山道。ヘアピンの内側に1番目の観音様がいらっしゃる。ヘアピンから外側に外れると取付は泥壁だが、すぐ西斜面のトラバースになる。あとは登るには必要ないほどのジグを切って山頂へ至る。100m程度の山の途中に31もポイントがあるのだから、このジグの多さも仕方ない。途中で何度か玉砂利コースと離合する。山頂には16番観音が鎮座する。

 下りは一旦山頂を行き過ぎた後、東面をトラバースするように下山し始める。上り同様、無用なジグが多い。斜面はミヤコザサの笹原で福寿草などが咲いていたりする。一部、鹿道と錯綜して分かりにくい。沢町の空き地に下山し、幌泉川を渡ると終着の法光寺。法光寺は全体的に黒い雰囲気のお寺だ。手前(隣)に赤い雰囲気の善生寺がある。


★北大地殻変動観測所方面(縦走)

 平らな尾根上は鹿道がはっきりしている。鹿防護ネットが街側に続いている。登りに掛かるあたりで北大地殻変動観測所方面への作業道が稜線まで続いているのに合流する。えりも本町も東の方へ移動すると、観音山より30mは高いこの観測所の裏山の方が高く立派に見えてしまう。このピークの麓にも新しい団地が広がっている。このピークには名前はないのだろうか。但しこのピークはヤブ山で道も踏み跡もなかった。

参考文献
1)えりも町役場,増補 えりも町史,えりも町役場,2001.



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(2009年4月17日上梓)