加車山(898m)
カルルス火山の外輪山の一峰。オロフレ峠近くの山。オロフレ山と登別温泉街の展望がよい。
道道2号線オロフレ峠の中腹から入山。雪のついた法面を上がって振り返ると羅漢岩が大きい。一部暗い植林があって、鞍部に上がるとオロフレ山からホロホロ山への稜線が遠く連なっているのが見える。
緩やかな稜線を南へ向かうと次第に背後のオロフレ山が大きくなる。
山頂は台地状の南端になるので北側のオロフレ山は木々に隠れて見づらくなるが、登別の温泉街がよく見える。温泉街の日和山(プルプルケヌプリ)の山頂から白煙が上がっているのが分かる。倶多楽湖が氷結している様子も見える。スキー場のある来馬山はあまり山と言う感じがしない。しかしここに昔湖があった様には感じる。その向こうに室蘭岳・カムイヌプリが見える。振り返ると昔、タクタクシヌプリと地図に書かれた丸山が近い。その向こうに支笏湖の山々が遠くある。
往路を戻った。
オロフレ山 |
来馬岳 |
倶多楽湖 |
アイヌ語の名はサマツキヌプリ samatki nupuri[横になっている・山]1)2)。
和名は山麓のカルルス温泉を発展させた日野久橘が地元で「山の形が傘に似ていて雲が掛かると雨が降る」といわれていたことに因み、「傘山」と名付けたと伝えられる3)。この命名譚に従うと「かしゃやま」ということになりそうだが、国土地理院では「かしゃざん」と振り仮名をつけている。山頂に置かれる三角点の名前が「加車山」である。測量士に地元の人が少し訛って「傘山」と教えたのを、「傘」と通じずに変わった字を宛てたのだろうか。
参考文献
1)知里真志保・山田秀三,幌別町のアイヌ語地名,室蘭・登別のアイヌ語地名,知里真志保,山田秀三,知里真志保を語る会,2004.
2)登別町史編纂委員会,登別町史,登別町役場,1967.
3)登別市史編さん委員会,市史ふるさと登別 上巻,登別市役所,1985.
トップページへ |
資料室へ |