継子岳・摩利支天山
胡桃島キャンプ場展望台から
御嶽山 胡桃島(秋神)コース

 高山方面からのコース。飛騨側からの御嶽山へのルートの一つ。登山口の標高は濁河温泉より高い。のぞき岩避難小屋の下手で合流して飛騨頂上に向かう濁河コースの、胡桃島キャンプ場利用者の為のサブルートのような感もある。秋神温泉から継子岳林道を経て胡桃島キャンプ場までと、のぞき岩避難小屋から飛騨頂上までも合わせて記す。のぞき岩から飛騨頂上へ直登するルートは谷口直吉によって大正末頃に湯ノ谷の右岸の尾根から摩利支天山西方の御嶽乗越を経て賽ノ河原へ登っていたルートから付け替えられたようである。

  • 歩行日・・・2013年8月15日
  • 五万図・・・「御嶽山」
  • アプローチ・・・JR東海高山線高山駅から
    濃飛バス朝日線で終点秋神温泉下車

★秋神温泉〜胡桃島キャンプ場

胡桃大滝附近の地図 秋神温泉のバス停で下りて秋神温泉の一軒宿のすぐ先の道路の右側に公衆トイレがあり、そこで右折すると昔は登山バスが通っていたという岳見峠を経て濁河温泉だが直進する。岐阜県道435号線である。胡桃島コースの名の「胡桃島」は秋神温泉の少し下手の、秋神川最奥の集落の名である。秋神温泉が最終人家で、道路から見える秋神川は堰堤もあるようだが自由に流れている雰囲気である。特別広々とした谷というわけではないが、川柳の木などに何となく標高なりの高原の雰囲気があり、北海道の川に似ている感じがする。川から距離のあるところでは唐松の植林地がある。焼岩谷出合を過ぎて北に曲り、焼岩谷から五十三峠への道を左に分けると登り坂が顕著になる。

 五十三峠への分岐から法仙峰の北東に当たる「法仙の清水」にかけて、道路の山手側に湧水が多い。山手側の傾斜の緩い斜面には牧草地が広がり、肉牛が放牧されている。法仙の清水は標識と小さな水汲み場が設けられている。もう一登りで尾根の鼻を回り込んで胡桃島キャンプ場へ続く継子岳林道の入口がある。焼岩谷出合から継子岳林道入口まで道の脇には栃の木が多い。

 継子岳林道は未舗装で、500mほど先で路盤が崩れていた。与十郎谷を渡って小さな段を登ると靄の立ち上る大量の湧水の流れに沿う。標高1460mのヘアピンカーブの所でこの湧水の流れから離れる。ここからしばらく水が無い。標高1500mの尾根の鼻には小さな土場があり、眞俣谷越しに御嶽山が大きく望まれる。

 林道は物音しない静かな森の中をゆるゆると登る。標高1600mに胡桃大滝へ下りる分岐がある。標識・説明板がある。胡桃大滝へは急斜面を金属の梯子道で下り、続けて細い岩棚の道を下りる。5分ほどで展望台に着く。胡桃大滝は40mを超える高さのあるスラリとした直瀑で水量も多い立派な滝なのだが、個人的な印象だが、何だかよそよそしい感じがする。取り付く島の無い美人といった雰囲気である。説明板には胡桃大滝の名が胡桃の大木に由来するといった話が書かれていたが、胡桃島の奥にある滝だから胡桃大滝という名であると考えた方が自然な気がする。

 林道に戻る。更に坦々と物音しない林道を登る。物音しないとは言ってもたまに胡桃大滝などの沢音が谷の方から聞こえる事もある。標高1700m附近に眞俣谷の方へ下りる作業道の分岐がある。地形図(2013年現在)には標高1810m附近に二軒の建物のマークが描かれているが、建物は無かった。坦々としたもの静かな林道のまま、濁河温泉とチャオの間の県道435号線に出る。継子岳林道の入口から柳蘭峠・チャオスキー場を経た県道435号線をショートカットした事になる。継子岳林道はここからチャオの部分が林道から県道に昇格したと言う事なのだろうか。

 県道を左手に入り、一登りで胡桃島キャンプ場の入口がある。


県道沿いはトチの木が多い

法仙の清水

林道脇の湧水の流れ

林道の途中から御嶽の展望

胡桃大滝への歩道

胡桃大滝

胡桃島(秋神)コースの地図1★胡桃島キャンプ場〜のぞき岩避難小屋


コテージ横の登山口

 胡桃島キャンプ場に入ると、まずコテージが並んでいる。テントサイトはコテージが途切れて更に砂利道を進んだ先である。コテージが途切れる所に登山口がある。登山口はキャンプ場の展望台への入口を兼ねており、右に木道を辿るとすぐに木作りの展望台があり、樹海の上に継子岳と摩利支天山と継母岳が望まれる。周りの木々が育ってきているようで、北方は乗鞍岳の頂上部分以外はあまり見えない。

 御嶽山へは登山口から左のオオバコの生えた道に入る。登山口右手に小祠がある。すぐに古い作業道跡が右へ分岐している。道は右手の高まりから湧き水が出ているようでしばらくジトジトしているが、すぐに木道になる。木道になるともう地面はジトジトしていないようである。長い木道の後半から平坦なオオシラビソの若木の森となる。しばらくオオシラビソの若木の森をゆるゆると登っていく。標高1940m辺りでオオシラビソの森が終り他の樹種も混じるようになり、少し傾斜が掛かる。標高1970m附近に濁河温泉への遊歩道の分岐があったが廃道扱いで通らないようにとの掲示があった。すぐに左手上方に節理の多い溶岩の大岩を見上げてもう一登りで標高1990mで、平坦な段の上に上がった感じがする。先に見た大岩を先端とする舌状溶岩の上に乗ったと言う事でないかと思う。ここから標高2170m附近までどこを歩いているかもよく分からない、鳥の声以外は何も聞こえない静まり返ったなだらかで広い山の斜面の樹海の中を緩やかに登る。時折、伐採の跡か、樹冠が切れて明るいところがある。古い梯子を敷いたような木道が何度も現れる。

 標高2180mで水の無い谷を丸木橋で渡る。谷の左岸の台地に上がり、右へ右へと静かで緩やかな山の斜面を登る。森を抜けた感じがすると間もなく車道に使われるような青い看板を見て標高2250mで濁河コースに合流する。のぞき岩避難小屋は更に2,3分登った先である。

 のぞき岩避難小屋は座って休めるが横になることは難しい荒れ具合であった。小屋は道の左側にあり、道の右側には小屋の名の元になった2mほどの「のぞき岩」がある。木々に被われて登ってみても摩利支天山が見えるのみだが、昔は草木谷を覗き込める岩であったか。小屋の横には三笠山の小祠と梵鐘がある。


キャンプ場の展望台

登山口すぐの祠

しばし木道

シラビソ若木の森

分岐跡

溶岩露頭

梯子のように横木の道


コメツガが増える

濁河道に合流

★のぞき岩避難小屋〜飛騨頂上

胡桃島(秋神)コースの地図2 濁河コースと合流した後は木製の階段や石畳が多用された立派な道となる。右手の草木谷から沢音が常に響くようになる。コメツガの木が多いが登るに従って目に見えて樹高が下がってくる感じがする。標高2460m附近が八合目の「お助け水」で、少し広くなってベンチなどがある。水は無く、積まれた小石にうずもれた小祠がある。お助け水より上では木製の階段がなくなり、石畳はまだあるが平らでないゴロゴロした石が混ざり幅が狭くなる。草木谷から離れて沢筋から吹き上げる風が通らなくなるのか樹高は一旦盛り返すが、標高2550mで樹林限界で完全にハイマツ帯に入る。樹林の切れた正面に継子岳の岩海斜面を見るが、山の斜面が立ってくるので道はすぐに右手に斜めに登り摩利支天山を正面に見るようになる。標高2620m附近の道の左手のハイマツの中に八海山の小祠があった。

 標高2700m附近から遭難碑や石像などが続けて道沿いに現れる。9合目にあたるのか。ハイマツの丈は低くなり、飛騨頂上の鞍部が見えてくる。標高2770m附近の道の左手の大岩が雷鳥岩。最後にハイマツ帯を抜けて、コマクサの多い風衝の砂礫地を登り続けると飛騨頂上直下の五の池小屋の前に出る。


のぞき岩避難小屋

のぞき岩
石畳や階段、木道の至れり尽くせりの道

八合目、お助け水

樹林限界

摩利支天山を正面に見て

雷鳥岩

飛騨頂上が見える

摩利支天展望台から見下ろす

参考文献
増井健二,御嶽及御嶽裏山の旅,pp59-74,2,雷鳥,岐阜高等農林学校山岳部,1930.
市村成彦,御嶽登山記(抄),飛騨山川(飛騨叢書2),岡村利平,住伊,1911.
陸地測量部,明治大正五万分の一地図集成3,古地図研究会,1983.



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(2013年9月15日上梓)