御嶽山
西野から
御嶽山 開田コース

 水の乏しい長大コース。国土地理院の地形図の道は2012年現在、少し違っている。旧営林署の見廻り道だったというが、宗教的なものが皆無と言うわけではない。昔の西野村と末川村からの登山道である。


 開田高原の別荘地の一角にある御嶽明神温泉やまゆり荘の前でバスを下車。やまゆり荘の後ろに聳える御嶽山は大きく、自分の安物のコンデジのファインダーにはおさまり切らない。


尾の島の滝

開田コース登山口までの地図 登山口付近に尾ノ島(オノジマ)の滝がある。開田高原キャンプ場の前を通って寄る。昔はこのキャンプ場が登山口だったようである。昔の末川・把ノ沢からの道の途中である。尾ノ島の滝は冷川にかかる滝で、水が豊かと言われる御嶽山を象徴するかのような激しい滝である。冷川の名の通り水が冷たい。夏場なら見ているだけで元気になるような滝である。

 ペンション風の建物が散在する森の中の道を進むと道路は未舗装の林道となる。登山口は林道のカーブの一角で看板と入山届箱だけがある。少し先に数台分の駐車スペースがある。こちらは昔の西野からの道である。

(登山口から開田頂上までの地図はこのページの一番下に)

 登山口から平坦な植林の中の道で、すぐに昔の避難小屋の廃材の山が右手に現れ、そのすぐ先が水場の四合目である。最終水場である。尾の島の滝周辺の湧水に比べると静かに地面から湧き出して流れ出ている高さの無い水場で、上水としても利用されているようである。鳥居があり、右手には八海山などの石碑が幾つかある。登山道は鳥居をくぐって登る。昔はここで末川からの道と西野からの道が合流していたようである。

 笹の茂る小さな谷筋の左岸寄りをジグを切って登る。傾斜が緩むと鬱蒼とした森となりすぐに五合目。ベンチと道標がある。四合目と五合目の間は地形図の記載では道は谷の右岸だが実際は主に左岸に付いている。

 五合目から六合目の間は長い。四合目標識が三合目、五合目標識が四合目で、本当の五合目は五合目標識と六合目標識の中間位なのではないかと思う。古いガイドブックでは先に述べた最終水場(四合目)を三合目と書いている。五合目標識からの登り始めは鬱蒼とした苔の美しい森の平坦な台地の上だが、次第に浅い谷の中になる。暗い林床で見られる花がある。標高1760mから左手の小さな尾根に取り付く。この尾根は細い尾根で一部に木の根の間に渡した木道となっている部分があるが、殆どは平坦な土の道である。標高1800m付近は笹に覆われているが、殆どはスッキリした林床で苔が多い。笹のある辺りで南の岨に一度ジグを切って登っているのと、その少し上で尾根上の木道が傷んだか、少し北斜面に回り込むようになっている以外では変化が少なく、平坦でなかなか標高が上がらない。1960mあたりで右手の小さな谷に入り、この谷地形が判然としなくなるほど浅くなると六合目である。六合目の辺りを刃利天(刀利天?)と呼ぶと古いガイドブックにあったが、石碑の類は見かけなかった。

 六合目より上では御岳ロープウェイの駅の方から法螺貝の音と六根清浄の声が聞こえる。六合半までは急斜面に付けられた道である。六合半は小さな谷の中で、すぐ上でこの谷から出るとしばらく緩やかな起伏の台地の上を進む。ここはとても苔が美しい。2140mからまた斜面を登るが、この斜面を少し登ったあたりに剣状の1m程の高さの碑石が一つあった。或いは此処が刀利天であったか。一登りでまた平坦となり、まもなく七合目である。六合から七合に掛けて木が桧中心からシラビソなどに変わる。木の丈が高い。浅い涸れ沢を渡って七合目。六合目から七合目の間は地形図(2012年現在)に描かれるより南側を道が通っている。七合目も本来は今の広場でなく、剣状の碑石のあった所だったのではないかと思う。

 七合目は少し広くなっていて避難小屋とトイレを取り壊した廃材の山が積まれているが、テントを張れそうな広いスペースもあるが水が無い。


四合目
水場と鳥居

五合目付近

尾根に取り付く前の谷間

木道がある

苔の美しい道

苔が美しい
この辺りで
石碑を見た

七合目が近づくと
森の雰囲気が
変わる

七合目
避難小屋跡

 七合目を過ぎるとハイマツが見られるようになる。ナナカマドやハンノキも見られる小さな谷間である。八合までの中ほどから土の道ではなくなり、ゴロゴロした石を跳ぶ道となる。何度も同じ涸れ沢を渡る。樹高が低くなり、日差しが当るようになる。八合目は何の変哲も無い浅い谷の茂みの中である。

 八合目から上も地形図(2012年現在)に描かれる道の位置は違っており、地形図では八合目から山の斜面をそのまま登っている様に描かれているが、道は100m程北に寄った沢地形の中を登る。九合目までの中ほどから、樹高が下がって日差しが地面にまで届くようになることもあるのか、路盤に草が茂る様になる。2600m付近が狭い藪の中の九合目で、このすぐ上で森林限界となる。

 道は谷の左岸にジグを切って付けられている。草で覆われているので足元の岩が見えず少々歩きにくい。2550m付近には小さな雪渓が残っていた。足元には高山植物が見られる様になる。左手には剣が峰が見える。後方には開田高原と中央アルプスや南アルプスの山々の展望が広がる。

 標高2630mあたりで沢地形は消失し、草藪の中に入る。藪の中をジグザグに登り、2820mで低いハイマツの岩礫帯に達する。もう浅間山や富士山が見える。鉢盛山が大きい。後は水平のハイマツの間の細い踏み分けを、剣が峰を横目に摩利支天・アルマヤ天に向かって10分ほど進むだけである。三の池避難小屋の前が開田頂上、開田コースの十合目である。水は黒沢口八合目の方へ5分ほど下った沢地形の僅かに谷側に大きな湧水がある。


八合目は茂みの中

ゴロ石が増える

樹林限界が近い

九合目

雪渓と剣ヶ峰

雪渓

チングルマ

最後の登りはヤブに
開田コースの地図1(GPSトラックログ)開田コースの地図2(GPSトラックログ)開田コースの地図3(GPSトラックログ)

参考文献
新井清,御岳とその周辺(マウンテンガイドブックシリーズ34),朋文堂,1959.



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(2012年9月17日上梓)